遠心力を含めて一般に「慣性力」と呼ばれる力が実在するのかしないのか、という問題を立ててみました。

 

 

しかし、こんな議論、大方の読者にとってはちっとも面白くないでしょうから(←やっと気づいたか!ガーン)できるだけ簡潔に済ませます。

 

 

さて、下は、(ネットからお借りしました)慣性力が働くときの有名な図です。

 

 

バスが発車して加速度運動をする(青⇒)とき、バスの中の人は、同じ値の逆向きの慣性力(オレンジ⇒)を受けたように感じ、「おっとっと」になります。

 

 

しかし、この慣性力の淵源(どこからかかった力なのか)は不明、というか、これだと指摘することはできません。「バスが動く力の反作用だろう」なんて類の、いい加減な(つまりは間違っている)説明はダメですよ。

 

 

確かに、摩擦力によって準固定化された足の裏にはバスの動く力が働き、その反作用として足裏は反対方向にバスの床を押しますけれど、これは人の上体にかかって来る、今問題になっている「おっとっと」の力(慣性力)ではありません。

 

 

それに、この「慣性力」には、反作用をもたらす相手の物体がありません。もし、あるとするなら、無限遠方の(得体の知れない)壁を想定するしかないのです。(これはさすがに馬鹿げた話でしょう)。

 

 

従って、「正統的」な物理学では、「慣性力」はニュートンの力の定義(質量と加速度の積として表され、必ず作用反作用の原理が働く)を満たさない「見かけの力だ」という結論になるのだと思います。

 

 

「見かけの力」とは、実際には存在しない力ですよね。ただ主観的に感じるだけの力、フェイクの力、お化けの力・・・・。

 

 

しかしですよ、私は思うのですが(←おまえの考えはどうでもいいなんて言わないでくださいなショボーン)、「慣性力」はしっかり計測できるんですよ。~N(ニュートン)の力だっていう具合にです。計測できるということは、実在する力だということになりませんかね。

 

 

例えば、これも有名な「慣性力」が働く場面なのですが、エレベーターが加速上昇しているときには体重が重くなったように感じるでしょう? 実際には重くなっていないにもかかわらずです。

 

 

↑ネットからお借りしました。

 

 

どのくらい重くなると感じるのだろうと調べてみましたら、通常のエレベーターでは、加速度は2ⅿ/s²ぐらいだそうですから、(簡単な計算をしますと)体重は2割増しほどになります。体重60㎏の人なら、72㎏ぐらいになった感覚が生じるでしょう。乗っている人の足の下に体重計を置けば、針は確実に72㎏を指すはずなんです。

 

 

もし「慣性力」が、呪術か魔法の力みたいに物理学的には実在しない力ならば、計測できるわけがないではありませんか。

 

 

  

↑ネットからお借りしました。

 

 

このあたり、多少は物理を知っている人たちはどんな議論をしているのだろうと、ネットで検索して見ましたら・・・・いやはや侃々諤々の論争をやっていました。一部では罵倒合戦みたいなことにもなっていました。

 

 

いちいち紹介はできませんけれど、ニュートン力学の範囲にとどまらず、相対性理論や量子力学まで持ち出す人もいて、これでは私の力では手に負えません。

 

 

今問題にしているのは、物理学の初歩、入門編ですよね。その段階ですでに意見の食い違いが見られるのです。

 

 

それも、むべなるかなとは思います。ロケットが飛び、AIが大活躍する時代にあっても、物理学原論に相当する部分では、未だに解決のつかないことがあるということなのです。どんな学問分野においても、原論は一番議論の多いところです。(入門が一番難しいんだあ!!)ポーン

 

 

しかし、いろいろな意見を総合して、一応の私の結論を出しておけば、「慣性力」を見かけの力とするよりも、実在の力と考える方が、実践的であるように思いました。

 

 

 

 

簡潔な記事にならなかったでしょうかね?チーン