出ると思っていたんですが、またまた能登半島地震が人工地震だという言説がネット上に飛び交っています。

 

 

 

 

エネルギー保存則さえ知っていれば、この規模の(マグニチュード7.6)地震を起こすことが無理だと判るはずなんです。

 

 

M7.6のエネルギーは、概算、日本の1年間の消費電力に等しいんですよ。HAARP(アメリカの電離層研究施設)が短時間にそれほどの電力を消費してしまったら、アメリカ国土は停電だらけになるでしょう。

 

 

いや、HAARPは最後の一押しなんだと主張する人がいるか知れませんね。活断層がずれるきっかけづくりをしてやりさえすればいいんだと。

 

 

しかし、地震学者でさえ予測がつかなかった能登半島の3つの活断層が破砕限界状態にあるとどうやって知ったのでしょうかねえ?

 

 

適当にそれらしきところに、めくら滅法電磁波を照射したのでは、これまたエネルギーの無駄遣い以外の何物でもありません。ましてや核爆弾を設置するなどまさにミッション・インポッシブルですよ。

 

 

 

結論:マグニチュード7規模以上の地震を秘密裏に人工的に起こすことは無理である。

 

 

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この前取り上げた京都大学名誉教授のナントカ氏による石油をタダ同然で作る方法といい、この人工地震説といい、どうしてこの種の似非科学がはびこるのか、考えてみました。

 

 

結論的に言うと、やはり中等教育の問題に突き当たってしまいそうです。

 

 

私みたいにね、もろに昭和の青少年時代を過ごした世代は、こういう「陰謀論」風の言説にはひっかかりにくいんです。なぜかというと、非常に頭の固い教育を受けたでしょう、「理屈はいいから覚えろ!」ですよね。

 

 

しかし、そうやって覚えたものは、容易にそれと異なる原理に対しては強力な抵抗勢力になるんです。

 

 

理科で言えば、「エネルギー保存則」・「質量保存則」・「運動の三法則」・「4つの力」・「DNA→RNAのセントラルドグマ」・・・・・。

 

 

こういう岩みたいに硬い原理原則が「真理」として叩き込まれていますから、それに反するような理論にはガピーンと反発が出ちゃうんです。これも良し悪しなんですけれどね。

 

 

それに対して、現代の教育(平成あたりからかな)は、そういう上から強引に覚えさせるやり方を改め、自分の興味のあることに集中させるという、自由で自主性を重んじた方法に変わって来ました。

 

 

知識に関していえば、ある分野の幅広い知識を全体に高めていく方法ではなくて、ある一か所を集中してグーンと伸ばす。すると他の部分の知識もそれに引きずられて高まっていく・・・・と、まあそういう理論です。

 

 

その方が面白い人間が出来上がるとは思うんです。私みたいな頭の固い、面白みのないジジイにはならなくて済むのでしょう。

 

 

しかし、反面、そうやって教育されてきた人間は、あるところでポコーッと抜けた部分ができてしまうように感じます。「岐阜県て、瀬戸内海の方だっけ?」と、有名大学の学生に真面目に訊かれたときには、びっくらこいたものです。

 

 

そういう秀才とぬけ作が同居しているような人物が、自分の良く知らない分野でそれらしき言説に出会った場合、「これぞ真理!」ってなっちゃい易いと思うんです。ネット空間は恐ろしいですよ。

 

 

 

 

知識の質を巡っての教育の方法は、ひとつの曲がり角に来ているように思います。