ご町内情報です。

 

 

同じ町内に住むAさん(70代女性)が話してくれたことを、およそ彼女が語った通りにまとめました。

 

 

 

最近のBさん(70代後半の男性)の言動は困ったものです。先日も夜遅くなってからピンポーンを鳴らされたので、何事かと思って出てみたらBさんではありませんか。

 

 

用事というのは、イヴェルメクチンとやらを何錠か持って来て、是非飲んでくれというのです。いや、私も名前ぐらいは聞いたことはありますよ。ノーベル賞をもらった大村なんとかさんが発見した動物の虫下し用の薬でしょう?

 

 

Bさんは、そのイヴェルメクチンがコロナの感染予防とかワクチンのデトックスっていうんですか、悪い成分を排出するのに効果があるっていうんです。

 

 

無下に断って感情害されてはいやなので、お礼を言ってもらい受けましたけれど、本音を言うと迷惑なんですよ。薬自体も高価なものだそうですから、何かの機会にお返しをしなくてはと思っているんですが、こっちとしては必要のないものにお返しするなんて、バカバカしくなって来るんですよね。

 

 

私も主人もワクチンは5回打っていますから、感染予防は一応万全ですし、そもそもデトックスとか言っていますけれど、そんなに体に悪いものを私たちは注射されたんでしょうか? そのような話はお医者さんから一言も聞いていませんよ。

 

 

私の家だけではないんです。Bさんは近所中を回って、「ワクチンは毒だ、もし打ったのなら仕方がない、これ以上打たない方がいい、なるべく早くその毒素を体から排出することだ、それにはイヴェルメクチンが効果的だと聞いた」と言っているんだそうです。そんなBさんのことを気味悪がっている人さえいるんです。

 

 

Bさんは1回も打ってないそうですよ。信じられない話ですけれどね、まあ、今までコロナに罹らなかったのは運がよかっただけですよ。なんでもユーチューブとやらから知識を得たらしいんですけれど、怪しげな素人が言っていることを真に受けてしまったんでしょう。洗脳ですよね。

 

 

Bさんの奥さんはちゃんと5回打っているんですけれど、それについて、奥さんとは大喧嘩もやったみたいです。「お前はいいけど、オレがお前の体から発する・・・・シェディングとかいうんですか、悪い粒子の影響を受けて体の具合が悪くなるんだ」と言うんですって。

 

 

先日も、Bさんの奥さんがほうれん草のおひたしを作ろうと茹でたものを手でギュッと絞ったら、怒鳴りつけられたんですって。

 

 

「どうして手袋を使わないんだ! おまえの手から出た悪い粒子がほうれん草に移るだろうが!」って。

 

 

もう、ちょっと頭がおかしくなっているんじゃない? ここだけの話だけれど。

 

 

 

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Bさんはおおむね正しいことを言っているんですよ。でも、その言動は完全に逆効果になっていますね。どうしてなのでしょう?

 

 

私は、世の中の「常識」に反逆し、かつその反逆が一定の支持を得るためには、その人自身が「常識人」でなければならないと思っています。Bさんの言動がそこから外れるものだということは明らかでしょう。そうすると、Bさんはただの「変人」にしかならないのです。ここに世間の人は「変人」に与することを嫌います。自分も「変人」だと思われることを恐れるからです。

 

 

また、Bさんが本当にワクチンの機序を理解しているかどうかも疑問です。私もイヴェルメクチンは十分ストックしてありますが、まったく信頼しているというわけではありません。用量と服用頻度を守れば、少なくとも害にはならないことは確かですが、いわばいざというときの保険みたいなものと見なしているのです。ほうれん草云々はお笑いでしかありません。

 

 

それに、私たちはこういうことにも注意しておかなくてはならないでしょう。往々にして熱烈で無知な支持者ほど、敵対者に転化しやすいということをです。