円の中心を求めるのに、幾何学と工業技術とでは考え方の違いがあるようです。

 

 

大分昔、旋盤などの工作機械を扱っている職人に、金属丸棒の中心を求める方法を尋ねたことがあります。

 

 

「いや、幾何学の方法では使い物になりませんねえ」と、その人は言いました。「第一、コンパスの針を立てる場所がないんです」。

 

 

なるほど・・・・。

 

 

こうやるんだそうです。

 

ネットからお借りした図です。↓

 

 

丸材を固定しておいて、井桁にけがきます。

あとは目見当で中心を求めます。

 

 

熟練した職人がやれば、まず間違いなく正確に中心が取れるそうです。

(そういえば、中学の技術家庭でこの方法を習ったことがあるような記憶があります)。

 

 

数学的な精確さと工業技術的な精確さは異なるんですね。

 

 

同じことは、印章彫刻の修業をしてみてはっきりわかりました。

 

 

印章(印鑑)でも印面の中心を取っておく必要はあるんです。

どうやるかというと・・・・目見当です(笑)。

 

 

それよりも、「役職員」と呼ばれる印章では、中に同心円を描く方が難しいのです。

 

 

こういうふうなのです。(練習で彫ったものですから、全部見せてもかまいません)。

 

 

中の同心円ですね、これが狂うと周囲の文字の大きさも狂ってしまいますのでまずいのです。

 

 

これをどうやって正確に描くかといいますと、こんな小さな場所ではコンパスを使うわけにはいきませんし、かといってフリーハンドでは狂いますから、次の写真のような手作り道具を使っています。

 

 

見た目は冴えませんが、このリングを印面にかぶせて、鉛筆でぐるりとやれば、正確な同心円が描けます。外枠の印は文字配列の目安です。いい加減な道具ですけれども、実践的には大変重宝しています。(特許取るかなWW)。

 

 

理論は理論としてあって当然なのですけれど、実践的には違う一工夫が必要だというお話でした。そういうのって、医療についても言えるんじゃないですか?

 

 

最後になりましたが、これはルチアさんへのホワイトデイの贈り物です。

 

 

 

ヴァーチャル・チョコレート。

3450円ですって。

どんなに高くてもかまいませんよ~。

 

 

でも、これはいくらなんでも手彫りではないでしょうね。

よく見たら指紋ベタベタだったりして(笑)。