北京の書店で買ってしまった、小学校英語の教科書について。
小学校1年生のA巻(上下巻の上)では、35レッスン分の課程が載っています。この巻で扱うトピックは1.体の部位 2.動物 3.色 4.アクティビティ(動きなど) 5.食べ物と飲み物。
子どもが生活に引き付けて覚えやすいトピックが選択されていますね。いきなり「外国人とも仲良くしたいから、外国語で(いつもの友達と)あいさつ」というよりも、リアリティがある分、小さい子どもでも入っていきやすいのでしょう。
ちなみにこのテキストの最後の部分で想定されている会話はこんな感じ。
[Drink some milk, please.][No. I want some Coke.]
我らが英語ノートは、「世界のこんにちはを知ろう!」からはじまります。前にも言いましたが、小学校の英語は英語にして英語にあらず。コミュニュケーションの授業ということで、中学で本格的に始まる外国語教育としての英語を前倒しで教えるとこは厳に戒められています。ですので、英語ノートの表記は原則日本語なのです。
ちなみに英語ノート1の最終レッスンは、すべて日本語で書いてある英語コミュニュケーションすごろく。「できるだけ英語で言ってみよう。」というルール。各マスに書いてあるのは
「友達とえいごでじゃんけんをしよう」
「アメリカの”こっちにおいで”をジェスチュアでやってみよう」
「コアラを英語で言おう」等々。
どんな感想をお持ちになったでしょうか。人によってとても意見が分かれそうですね。NOと言えるニホンジンになるためにはこれが正解だとお感じになる方もいらっしゃるでしょうし、もう少しこのカリキュラムの背後にある哲学をお知りになりたいとお感じになる方もいらっしゃることでしょう。
中国の1年生はそのままB巻に突入していき、学年の最後のほうでは
[What does the boy want?][The boy wants some chocolate.]
と、自分の意見を言いっぱなしではないところまですすんでいきます。
毎回のレッスンが1.新しく導入された単語 2.その単語を使ったセンテンス 3.確認テスト(ゲーム、クイズ形式) 4.その日の表現の歌(チャンツ)、のシークエンスで繰り返されていますので、やるべきことが整理されているのは、教える側には便利なところかもしれません。ただし、あまりにきちんと整いすぎたカリキュラムは「漫然たる授業」を生み出す温床にもなりやすいところです。やはり運用する側に意識が求められるのは、人にものを教える職業の人間にとっては当たり前のこと。そこに洋の東西など無いと私は思います。
せっかくですので、もう少し。続きます。