菜園つき住宅を核にした「ロハス・ヴィレッジ」の構想が徐々に進んで「ロハスな暮らしと家づくり」友の会も設立され、その一連の動きの中で、情報が多方面から入ってくるようになりました。
寄せられた情報の中で、実現可能性のある土地が3箇所みつかりました。一箇所は万博に近い山田地区。もう一箇所は丹波篠山にある2万坪の休耕地。それから先日行って見てきた滋賀県甲賀市にある1万坪の遊休地です。
ここは甲賀市あげて地域活性化に意欲的に取り組んでおられる議員さんや観光協会の会長さんのお話をお聞きすることができ、また私たちも「ロハス・ビッレジ」の構想をお話させて頂き、お互いの考え方が共鳴するところが多く、共同企画で進めて行こうという話し合いになりました。
はじめて訪ねたのですが、この土地柄のことをお聞きしてすごく惹かれるもの感じました。このエリアは昔もっと琵琶湖が広く大きかった時代の湖の底の部分にあたり、だんだんと土地が隆起して平野になったということで、ミネラルが多く含まれる土壌になっているそうです。その土壌で作るお米は古式農法で作られているので特別の味、栄養があり、ここしかできない自慢のお米だそうです。そのお米を作るお百姓さんがだんだん高齢化して田んぼを守って行く人が少なくなったそうです。
森の周辺に沢山の田んぼがあり、その近くに広い遊休地があるので、ここに菜園つきの住宅100戸くらいを建てて、田んぼは借りて農家の指導を受けながらお米作り、野菜づくりをしてゆけるのです。また近くには、5つもゴルフ場があるのでレストランや宿泊施設ができればゴルフにくる人たちに利用してもらう、そうすればヴィレジ内での仕事や雇用も生まれる。豊かな森林は手入れをしてないので山が荒れている状態ですが、この地にログハウスを手づくりで建てたい人が集まってくれば、山林の手入れをしてもらって材木は無償で提供し、その材木を使ってログハウスを建てることができる。また週末だけ通ってきて農業したい人のための小屋も50戸以上建てることができる、その方々に野菜やお米を作ってもらい、都会の生活と農的生活とを楽しんでもらうことができるのです。
一緒に行った建築家が一つのアイデアを出してくれました。
彼の提案では、今、大企業をリストラされたサラリーマンや、働いているけど収入が減って困ってる人が全国に200万人もいる。その人たちが、現代の経済システムから少し離れて農的生活をしながら人間性を取り戻してもらえるような「農職住」を、ここなら提供できる。収入はそれほど多くなくても経済的にゆとりある生活ができ、家族が健康的な生活を安心して送れる環境を創ってあげたい。ロハスな暮らしの提案だけでなく、社会的な意義のあるものにしてゆきたい、そんな熱い思いが溢れ、みんが共感したです。現地の方からも「単に人を寄せて活性化するのではなく、人間の尊厳が大事にされるコミュニテイをつくらなければ意味がない」という言葉がでてきて、お互いの想いが共鳴し合ったのです。
ソ連では「ダーチャ」という滞在型の農園が大流行で国民の食料の8割を供給できるほどの規模になっている。1990年ソ連崩壊の時の混乱時でも餓死者が一人もでることなく生き延びられたのは食料が作れるダーチャがあったからです。ドイツで発生し日本にもある「クラインガルデン」式の宿泊型市民農園も、食料自給率を上げる一つですが、自分の家族が食べるものは自分たちでつくる。安全・安心の食材によって健康的な生活を手にいれたい、という人間の欲求が強くなってきています。そうするとゴミの問題や環境汚染の問題、に自然と目が向いてゆき、解決してゆけるのです。
半年前に、4人の建築家と月1回の会合を持って、郊外に菜園つきの住宅を建てて、半自給自足できるコミュニティを創れないだろうか、という夢を語り合っていたことが、いろんは人と人のつながりで、実現可能な地点まで運ばれてきたのですが、これからが大変です。具体的な青写真を描いて、まづ居住希望者を全国から募り、デベロッパーを探して、インフラを整備し、一つの居住空間を建てて、そこで実際に体験してもらってから、家を建てる。定住型と週末農業型の小屋、それに手作りのログハウス、ゲストハウス、などを
建ててゆく。そんなプロジェクトが始まってゆくことになる。
参加者は家族単位で、その中には「保存食」を作るのが得意な人。「野草」で手作りの酵素飲料を造れる人、木こりのうまい人、木の家具を作るのが上手な人、パンやピザを焼くのが上手な人、炭を焼くのが得意な人などが入居してくれた、そこでの仕事が生まれるし、収入も生まれる。年齢を問わず全人格的な教育ができる教室や、代替医療で住人の心身の健康を支援する人材や設備も必要になってくる。そういったロハスの視点から見直してゆくコミュニティを、関心のある人たちの手で創り上げてゆけるようなプロジェクトにしたいと思います。
ぜひ、「関心がある」「こんなアイデアや智慧がある」という人がいたらメールください。
Mail: munechika@hokusetsu-sjhimin.or.jp BIRDS EYE Project
