ついに銘酒蔵「千両男山」が復活!! | 酒友 醸造研究所

ついに銘酒蔵「千両男山」が復活!!

去年(平成23年)の3月11日 14:46、東北全土を大地震が襲った。

その後まもなく大津波により岩手県の宮古市と茨城県の気仙沼市が最大被害を被る。

その岩手県宮古市にあった元「田酒」蔵元(青森県)の名杜氏と言われた辻村勝俊杜氏。

彼が現在腕を振るう「千両男山」蔵元(菱屋酒造)の木造棟が流され、全壊した。

その頃の様子は以前このブログでも写真を載せましたが、全く悲惨な光景だった。


$酒友 醸造研究所
去年の7月頃、ブログ内でupした記事。


$酒友 醸造研究所-岩手県 宮古市
大津波で全壊した跡地(緑色の仕込みタンクが寂しげに横たわる)。



この時私は、このブログで「復活してくれ!千両男山!」というタイトルで願いを込め、ありのままをupしましたが、なんとその願いが通じたのか、千両男山(菱屋酒造)はその年の12月に見事 復活してくれました!!

その復活の様子は、平成23年12月4日(水)のNHKニュースでも取り上げられました。

大震災以前の石数600石には及びませんが、約6割(360石)を今年の酒造期(23BY)終了までに仕込むそうです!

暗い闇に明るい一筋の光が差したような、今年(2012年)一番最初の明るいニュースでした!


そのNHKニュースでは、今年初めて仕込んだ本醸造を搾っているところでしたが、その後、純米、純米吟醸、大吟醸と仕込んでいく予定だそうです。

とりあえず、去年から一番心配していた件だったので、一安心しました。

これが本当の「おめでとうございます!」ですネ!



それから、下記の文は復活の様子などを私が直接 菱屋酒造の専務とお話しした内容です。



Q1.いつ頃 再建され、いつ新酒を仕込み、何をどれくらい仕込んだの?

A.―― 全壊したのは木造棟で、コンクリート棟は無事だったため、意外に早く、12月までに修復できました。12月にまず、本醸造クラスの酒をタンク20本くらい仕込みました。しかし、まだ以前の6割ほどしか造れません。



Q2.菱屋酒造の創設は? 現社長は? 何代目? 震災以前の製造石数は?

A.―― 1852年、約160年前の創業で、現社長は先代の奥様・三浦むつ子氏です。5代目となります。大体600石を製造していました。



Q3.辻村杜氏の入社はいつ・どういうきっかけで、また、現在おいくつですか?

A.―― 平成17年の秋からで、現在7年目です。辻村杜氏は元「田酒」蔵元(西田酒造・青森県)で「田酒」という銘柄を発表してから2代目の杜氏で、1代目は菅原氏、現在3代目が細川氏で、辻村さんの一番弟子です。田酒蔵を退社してから、当時 菱屋酒造も杜氏が亡くなり、さがしていたところ、その菅原氏の紹介で当蔵へ入ってもらいました。
現在75才です。



$酒友 醸造研究所-辻村勝俊 氏

$酒友 醸造研究所-千両男山 復活



Q4.辻村杜氏が得意とする仕込は?

A.―― やはり純米造り、山廃仕込みです。



というような内容で、いろいろとお話を聞きました。

残念ながら、大阪では辻村杜氏をはじめ、菱屋酒造を知っている酒屋や業務店が全くありません!!

流行の銘柄、売れ筋酒ばかり追わずに、たとえ無名でも素晴らしい造り、歴史を持った蔵元にもっと目を向けてもらいたいものです!

「酒友」はこのような蔵元にも全力を注ぎ、「酒友」主催の「蔵元を迎えての日本酒学校」で、ご来店いただいた皆様にいろいろな蔵元を知っていただけるよう、どんどんご紹介していきますので、今年もどうぞよろしくお願いいたします!


◆今後「酒友」が開催する「蔵元を迎えての日本酒学校」へ来てくださる蔵元様は、、、

2/5(日): 日本城(吉村商店・和歌山県)

3/4(日): 常きげん(鹿野酒造・石川県)へ蔵見学(8名様限定!)

4/1(日): 常きげん(鹿野酒造・石川県)⇒日本一の名杜氏・農口尚彦杜氏と鹿野社長がご来店!!

5/13(日): [予定] 東洋美人(澄川酒造・山口県)⇒連続2回目!会の内容が最高だったためか、当時自らの申し出!

6/10(日): 鳳凰美田(小林酒造・栃木県)⇒大阪初登場!

7/8(日): [予定] あるビッグな蔵元と日程調整中!!


(※回を重ねるごとに噂が噂を呼び、参加希望者が増大中! お早めにご予約をお願いします!)