ハロウハロウ
こちら壺せい子


幼い頃衝撃を受けたもの。

それは、国語の教科書に載っていた
「ちょっと立ち止まって」
という桑原茂夫さんの文章です。

私これ小学生くらいの時に読んだと思っていたのですが、調べてみると中一みたいです。


まあざっくり言うと
だまし絵を取り上げて
人というのは
同じ絵を見てもそれぞれ
全く違うものに見えていることがあるんだよ、
と言ったような話です。
これとかですね。(画像はお借りしました)

例えばこの絵だと
お婆さんの顔にしか見えない人と
女性の横顔にしか見えない人が出てきます。



もちろんこれは意図して描かれたものですから
2パターンに意見が分かれるのは
当たり前なわけですが。



で、何に驚いたかと言いますと、
私の考えていることは
他の誰かと同じではない

ということなんです。


もう当たり前すぎる話ですね。

でも、このことを強く感じたというか
ハッキリと理解したのは
この文章を読んでからでした。




そして、以後私の人生のテーマです。




私が見えているものは私にしか見えない。
つまり、誰かを通してみた世界は
例えば場所、時間、角度が全て同じでも
私は絶対に見ることはできないのです。
それはたとえ親子や兄弟でも。


もちろん、言葉などを通じて
感動を共有することはできる。
だから相手を想って涙したり
時には怒ったりもできる。

己は他人と全く別だけど
それでも理解しようとする。
でも理解はできない。
ただし、寄り添うことはできる。

そんな感じでしょうか。



国語の教科書に載っていた
1つのテーマの文章が
私に衝撃を与え
その後の人生にも大きく影響を与え
そしておそらく老いてもなお
私はこの文章を絵を
忘れることはないと思います。


誰にでも
きっとそんな何かがあるはず。
色んな人のそんな話を聞けたら
素敵だなあと思うのでした。