ゆっくり歩こう




陽が落ち始めてから外へ出て

今朝割ってしまったお気に入りの鏡と

同じ鏡を探しに行く




売り切れてるって


天を仰いだ






あーあ

どうしよう













髪の毛でも切ろうかな


おじいちゃんが亡くなってから
もう1年が過ぎた

今年も神田川には桜が咲く



手を後ろで組みながら歩く
おじいちゃんの姿はない











中央線に乗りながら


市ヶ谷・飯田橋間の川沿いの桜を眺める




去年これを

どんな思いで見ただろう









ただ時間だけが過ぎて

わたしは去年からなにも変わってはいない






もしかすると



もうずっと
もう何年も
















あらゆることを

うまくかわせているようで

かわせてはいない















時間が過ぎるのが早くなったわけじゃない



わたしの歩く速度が遅くなった







んだと思う
















いつまでも
このままではいられなくて


いつまでも
このままでいたいわけじゃない








前へ進みたい


少しでも前へ







だけど


どこが前だか分からない

わたし

なんだか

顔つきが怖くなったみたい






たまたまこないだの3月の写真見たら

今より柔らかく笑えてる


余裕がないんだなぁ