【本】『エンプティ•チェア』 | 蒼の深さを見上げてみたり。

蒼の深さを見上げてみたり。

認知症の母との日々や日常の些細なこと、読書の記録などを綴ります。

ジェフリー•ディーヴァー 著。


リンカーン•ライムは

頸椎に手術を施すために

ノースカロライナを

訪れていた。


そこで

少年による連続女性連れ去り事件の

捜査に加わることになる。


ライムとともにいた

サックスも実働部隊として

捜査に加わり


少年を捕らえ

連れ去られた女性のうちの

1人を助け出すことには

成功したものの


最初に連れ去られた女性は

どこかに監禁されたままになっていた。


少年には余罪が多々あったが

無罪を訴える少年の言葉を信じたサックスは


少年を牢から出し

一緒に逃亡してしまう。


しかも逃亡の途中で

警察官1人を射殺した上


少年が嘘をついていたことを知る。


ライムは

サックスと少年の居場所を探すため

残された微細証拠と向き合う。


サックスと少年の運命やいかに。




今回は

サックスは

少年と手に手をとって

逃げ回ることになるので


ライムの助手をしている暇はありません。


前回までの2作は

サックスが証拠を集める腕がいいことが

ライムを助けていましたが


今作では

集めることに関しては

それほど大きな問題はありませんでした。


ただ

出てきた物証が

何を示しているのか

正しく推察することが求められ


土地勘のない場所でのこと

ライムは苦戦させられます。


読んでいる側にも

物質の知識があれば

ライムと一緒に考察できて

相当楽しめると思います。


何回も何回も

証拠の一覧が出てくるので


作者もそれを期待して書いたのかな。


残念ながら

私は知識に乏しいので

そういう楽しみ方は

できませんでした。


それでも

窮地に追い込まれるサックス


自分なりの方法で

自分の大切なものを守ろうとする

少年ギャレット


そしてその2人と

街の荒くれ者や

警察たちとの応戦など


見どころ満載の

ストーリーで

ページを繰る手が

止まりませんでした。


エンプティ•チェアというのは

カウンセリングの手法の一つのようです。


少年がエンプティ•チェア=空の椅子に

語った言葉が

ライムを真実に導いてくれました。


最後はちょっと

演出のやりすぎ感がありましたが


大団円という感じで終わって

ほっとしました。


次の次まで買ってあるので

当分楽しみが続きます。