介護はチームを組み抱え込まない
最初に断言しておきます。介護はだれかひとりでできるものではありません。絶対にむり。そこを大前提に、取り組みましょう。
●あなたの見かたはだれ?
日中、親や病院から携帯に電話がかかってくると、飛び上がりそうになります。「いよいよ、きたか!?」
もちろん親のことは心配なのですが、今日、明日のスケジュールが頭を駆け巡ります。仕事や用事を抱えていると、すぐに帰省することはできなお。どうしよう・・・。ココロは焦る一方。親が入院すると、保証人が必要になるにで病院から、「スグ来てください」と電話がかかってくることもあります。パオッコの会員談。「独居の父が緊急入院。病院から電話がかかってきてドキリ。スグって言われたけど、500キロの距離。無理なものはムリ」。その方は、とっさに「スグ」に行ってくれそうな人を思い浮かべたといいます。配偶者や自分の子は、みんな500キロの距離。彼女の妹も、少しは近いと言っても300キロくらい。しかも小学生の子がいます。そこで目をつけたのが、実家の近所に暮らす父親の姪。彼女のいとこにあたります。「悪いけど、様子を見てきてくれない?」と電話をしました。快諾してくれて、胸をなでおろしたと言います。
彼女の父親は、これまで何度か緊急入院をしています。そこで、「自分はスグにいけないから」と、いとこはもちろん、近所の人、地域の民生委員にも、帰省時には挨拶を欠かさないということです。親がかかっている近所の内科医にも、帰省時には父親に付き添って挨拶をしておくといいます。また、介護保険を利用しているので、プランを立ててくれるケアマネージャーとも、帰省時には連絡して、なるべく帰省中に訪問してもらうように手配しておきます。
そうです、彼女には味方がいっぱい!これこそが、介護チームメンバー。配偶者も巻き込んでいます。彼女はパソコンが苦手なため、パオッコのホームページをのぞきたいときは夫におしえてもらってアクセス。大学生の子らにも、ときたま父親に電話をかけさせています。
●チームリーダーを決める
きょうだいで親の介護を分担するケースもあるでしょう。そういう場合、司令塔となる「リーダー」を決めておくことも大事です。チームを組むことは、家族だけでなく、外部の人たちも加わることになります。親のかかりつけ医に、長女からも、次女からも、はたまた長男からも様子伺いの電話をかけるというのは、はっきりいって迷惑です。また、親の具合が悪いとき、同時に3人の子が帰省するより、日程をずらして1週間、毎日だれかが居るというほうが安心なケースも。
意見やスケジュール調整をするためにはリーダーが必要です。また、医師や介護の専門職などと連絡をとる渉外係も。リーダー渉外は同一でもいいですし、得手・不得手で分担してもいいでしょう。
チームリーダーといなるのは、長男や長女の場合もありますし、親ともっとも近所に暮らす子という場合もあります。親と相性がいい子でもいいでしょう。きょうだいは、それぞれの家族や生活があるので、まったく同じように分担することは難しいのが現状。もめないためには、リーダーシップが必要です。
●介護の主役は親本人
遠距離介護の主役は、あくまで親本人です。できることは、親本人にやってもらう。決断できることは、親本人に決断してもらう。中心に親がいることを忘れないで!
笑顔をめざしビジョンを練ろう
「介護のビジョン?」と不思議に思われるかもしれません。親や自分たちはどういうことを望むか。方向性を考えなければ、「戦略」に売って出ることはできません。
●課題は何かを考える
介護はだれかひとりでおこなうことではなく、大勢の人間がかかわります。複数でことをなして行く場合、同じ方向を向いていることが大切です。
あるケアマネージャーから聞いた話です。長男からは、「どこか、施設を探してくれ」との電話。長女からは「在宅サービスを増やす方向で」と違った要望の連絡がきたとのこと。困ったケアマネージャーは要介護者本人に希望を聞いてみました。すると、本人は「現状で不満はない」とのこと。介護の中心は親本人です。親本人の自立を支えることがチームの大きな目的。どういう生活を望んでいるのか、それが介護の「ビジョン」ということになります。
突然「ビジョン」を検討するのは難しいかもしれません。そんなときは、現状での課題を考えてみてください。親はもちろん、子世代間でも。親は「1日、誰とも話さない日が続くと、落ち込んでしまう」と悩みを抱えているかもしれません。それなら、親がもっと人とかかわれるにはどうすればいいかを考えます。サービス利用という方法もあるでしょうし、子が電話の回数を増やしたり、地域にあるお年寄りのコミュニティを探すといった方法も考えられます。
それのどれでもいいわけでなく、子は何ならできるのか。子が毎日電話できればいいでしょうが、難しいなら無理は禁物。介護といえば、なりゆきまかせで、サービスは「利用させていただくもの」と考えがちです。ほんとうにそれで笑顔になれるでしょうか。主体性を持つことが大切」だと思うのです。
●バンバンザイとはいかないけど
主体性を持って、いろいろ考えても、介護にかかわる全員がバンバンザイとなることはなかなか難しいことです。主役の親本人の希望を満たせないケースもあるでしょう。けれども、それは、ビジョンの世界でも同じ。どこの企業も頭をひねり、努力を重ねますが、バンバンザイとはなかなkいきません。けれども、自分たちで考え行動すれば、よりよい方向に向かうものです。納得もできます。
また「このようにしよう」と考えても、その通りには進まないのが現実です。たとえばメーカーが新商品を開発しても、残念ながら売れなければ改良したり、ときには大胆に撤退することもあります。介護のビジョンも同じです。パオッコの会員からしばしば聞く言葉に「ジェットコースターに乗ってるみたい」というのがあります。安定していたと思ったら、急に病気になったりけがをしたり。
メーカーが商品の改良をするように、介護でも状況にあわせた軌道修正は必須。そのためにも、親やチームメンバーとの間での「対話」がより重要なポイントとなってくるのです。心身的に安定していると思ったら、悪徳な訪問販売業者に大金を騙し取られていた、なんてお隣さんから連絡をもらったり。そういうことがわかったら、お金の管理をどうしよう、ということを考えなければなりません。
NPO法人 パオッコ 編集
「不安」を「行動」の変える 知恵の保存版
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