先日 4月3日
講師:木村武実 医師 (独)国立病院機構菊池病院 臨床研究部長
[近年、介護負担の高い前頭側頭葉変性症やレビー小体型認知症の問題行動にサプリメントであるフェルガードの有効性に着目し、医学的見地から検証している。
さらに認知症新薬の治験責任医師として大きく貢献している。]
テーマ:認知症へのストラテジー(戦略)
問題行動(BPSD)の治療を中心とした最新情報
ということで、
認知症とは
認知症の種類
症状
原因・診断
治療の可能性
予防の可能性
スライドを使用しながら、実際に診察なさっている症例を交えて、とても分かりやすい講演でした。
患者さんを良く観察・状態にあった薬の調整など、普段から認知症の患者・家族をよく診ていらっしゃる!!
好印象の認知症専門医です。
講演のなかでの印象の大きかった点
★1) 問題行動(BPSD)の悪化要因
- 薬剤 37,7%
- 身体合併症 23,0%
- 家族・介護環境 10,7%
薬剤・身体合併症については、かかりつけ医に薬を見直してもらうことが大切。
不適切の環境・ケアのチェックと改善
症状の意味を考え、対応
BPSD(問題行動)は患者さんの心のあらわれ!!
患者さんのこれまでの生活を知ることが大切!!
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それで、改善がみられない場合、薬物療法
このとき、認知症の種類によって使用薬剤は変わります。
アルツハイマー・前頭側頭型・レビー
で、効果のある薬剤はかわります。
★2) 問題行動(BPSD)にサプリメントであるフェルガードが有効
(これは国際的論文で発表されている。)
★3) 問題行動(BPSD)に対する薬物療法
◆ アルツハイマー病(AD)にアリセプトが有効
◆ 前頭側頭型認知症(FTD)の行動障害にルボックス(SSRI)が効果的
◆ 問題行動(BPSD)の軽減に抑肝散が有用
◆ レビー小体型認知症(DLB)の問題行動(BPSD)に抑肝散が効果的
◆ レビー小体型認知症(DLB)の問題行動(BPSD)にアリセプトが有効
◆ 前頭側頭型認知症(FTD)の行動障害に抑肝散が有用
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問題行動(BPSD)に対する薬物療法
●問題行動(BPSD)を軽減のために、
アリセプト・抑肝散・SSRI・デパケンなどを投与
●アリセプトにより、消化性潰瘍、COPDの悪化
心電図上QT時間の延長、精神症状の悪化
※COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは、咳や痰が連日続き、体を動かしたときなどに息切れを起こすようになる病気で、喫煙者に多くみられます。COPDには、肺気腫と慢性気管支炎のほぼ全ての症状が含まれます。
●抑肝散により、偽アルドステロン症、ミオパチー、消化器症状、低カリウム血症
※偽アルドステロン症とは、血圧を上昇させるホルモン(アルドステロン)が増加していないにも関わらず、高血圧、むくみ、カリウム喪失などの症状があらわれる「偽アルドステロン症」は、医薬品によって引き起こされる場合があります。
※ミオパシーとは
「筋障害」「筋疾患」「筋病」「筋症」とも呼ばれています。
あなたの筋肉が、何らかの原因で萎縮して「ほとんど力が入らなくなる症状
※低カリウム血症とは
体のなかのカリウムのほとんどは細胞のなかにあり、残りのわずかのカリウムが血液中などに存在しています。
抑肝散に含まれる甘草(かんぞう)の成分が「腎臓で副腎皮質ホルモンの作用を増強」⇒「尿中に大量のカリウム喪失」という事態がおこることもあります。
●SSRI(抗うつ剤)では消化管出血、骨折、脳卒中、糖尿病のリスクが増加
●デパケン(抗てんかん剤)より、眠気、ふらつき、倦怠感、消化器症状
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薬剤の副作用は多少にかかわらず、認知症関係以外の薬剤でもあります。
レビー小体型認知症においては、薬剤過敏症が特徴としてあります。
僅かの風邪薬でも過敏症状はおこしやすいようです。
微量で薬効が現れます。通常の一般の量で副作用が強くでる場合が少なくないです。
アリセプトの適量も低量でよい場合が多いようです。0,1mg~0,3mgとかの微量で効果がある場合もあるほど、少なくて良い方もいらっしゃいます。
5mg錠が1/4~1/2錠で良い方も少なくないようです。
認知症の方は、体調不良がうまく表現できない場合が少なくありません。
介護者の観察の必要性が大きいので、あえて書きあげました。
抑肝散においては、血液検査でカリウムの測定も必要です。
また、むくみにも注意してください。
先の記事のコメント欄で抑肝散がネット通販可能と記してありますが、基本は医師の処方です。
コメント内での通販の記事は、今回の震災の影響で認知症初期の方が問題行動が出現し、困惑した方々についての<長男>様のブログで通販という方法を提示した件のコメントです。
震災地で突然問題行動で家族が困惑・本人が医療機関の拒否などがある方々のケースに対しての苦肉の策です。
医療機関に結びつかない方が僅かの日数試し、それが効果があり受診に結びつくのなら致し方ない手段かとも思えます。
サプリメントに関しては、
本人・家族の観察・判断など、自己管理で良いかと思います。
必要な方は主治医にご相談ください。
但し、フェルガードについてご存じない医師が少なくないようです。
認知症について、アリセプトありきの医師が少なくない現状であることも現実の医療現場のようです。
内科医・神経内科医・精神科医・認知症専門医も知識・治療などについての個人差の大きい現状であることは事実です。
標ぼう科や受けた研修だけで専門とうたっている場合が少なくないです。
今回の講師の医師のように、話のなかでケースを通して症状・治療など展開できる医師は、患者・介護者を良く診ている印象です。
本だけの知識では、特別の症状だけにとらわれている場合が少なくないようです(河野医師の本より)。
hokehoke医師のブログにも、セミナー参加の記事があります。
ご興味がある方は、ご訪問くださいませ。
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http://ameblo.jp/lewybody/entry-10850187684.html
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