本のご紹介
[ 認知症治療 28の満足 ]
著者:河野和彦 医師
発行所:女子栄養大学出版部
脳血管性認知症と
アルツハイマーの合併に注意
< 症状のない脳梗塞から、やがて認知症に >
脳梗塞は脳の血管が狭まったり詰まったりすることにより、
脳細胞が酸素不足や栄養不足になって障害を受ける病気です。
脳の動脈の中でも、比較的太い脳動脈が詰まるものを中心性梗塞といいます。
脳卒中の既往がない人でも、高血圧や糖尿病が長年続くと脳動脈の末端が壊死し、
貧食細胞がこの腐った組織を食べにくるので洞窟状になります。
これをラクナ梗塞といいます。
ラクナ梗塞は知らないうちに多発して、おそらく3割以上になると認知症になる可能性が出てきます。
病名からいうと、無症候性脳梗塞から多発脳梗塞となり、やがて多発脳梗塞性認知症となるわけです。
境界領域梗塞とは、脳梗塞の種類としてあまり聞きなれない病名ですが、
血圧が下がりすぎたときに動脈の支配領域の境界部まで血液が届かなくなって広範囲に脳虚血をおこす状態です。
もともと動脈硬化が強かった人にしかおきないので、この梗塞をおこした人は当然認知症になりやすい背景を持っていたことになります。
ビンスワンガータイプと呼ばれる全般性の大脳虚血も、高血圧なしではほとんどおきないものです。
多発脳梗塞もビンスワンガーも脳血管性認知症になりやすい梗塞で、重度になるとすり足歩行、
ワイドベース(両足を左右に大きく開かないとバランスがとれない歩行)になります。
こうしたびまん性(広範囲におこる)梗塞は、前頭葉の血流を激しく低下させ、感情失禁(泣き上戸など)、尿失禁、易怒(怒りっぽい)などをおこします。
動脈硬化の危険因子は、なんといっても高血圧が筆頭です。
正常血圧の人に脳梗塞がおきることは少ないものです。
次に糖尿病、高コレステロール血症が危険因子として挙げられます。
< 混合型認知症は診断も治療もむずかしい >
ラクナ梗塞やビンスワンガータイプの脳梗塞などによる脳血管性認知症に、
悪いことにアルツハイマー型認知症を合併することもあります。
これを混合型認知症と呼びます。
このタイプの認知症は非常に進行が速く、治しにくいのが特徴です。
長年かかって構築されているからです。
したがって、早期発見と早期治療が重要です。
ベテランの専門医なら、症状でアルツハイマー、画像検査で脳血管性に気づくことができます。
混合型なら血小板抑制剤だけでなく、アルツハイマー型認知症の治療薬アリセプトを服用しないと、どんどん進行します。
※ この書籍については、私の記事は終了いたします。
これ以降の内容は書籍にて、ご確認いただければと思います。
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