その時気付いた。



 わたしは、わたしとおなじく雨好きな男性に、他に出逢ったことがなかったということに。


 ただひとつの共通点を、今ごろ見つけてしまった。


 この風と空気に。



生まれて初めて、男性と女性がいる意味。


 別居が不自然なことのように、そう感じられたのだ。


 今まで地球上すべての結婚の意味がわからなかった、理解できなかった。


 なんで皆んなこんな、ヘンなこと、やってんの?! くらいに苦しんだ、 同居の7ヵ月とちょっと。


 一生、誰ともしないと決めてた、なのに。

 結婚という"制度"への疑念は消えなくとも、互いに折り合って歩み寄って、男と女は共に生活するものではないのか?と。




『歩み寄りとは、奥さんだけがするものじゃない』

 保健師さんは、そう仰った。


ヒナさんの彼には、全く、歩み寄りの姿勢がみえないと、これからも変わることはない、と。

そうかもしれない。

 ありがたいアドバイスだったし、、

けど、ともかくも


 急に、離れていることの、すべてが唐突に不自然に、思えてきたのだ。