[手術当日]
 
全身麻酔で深い眠りに落ちてから約二時間後に医師に起こされた。
私は思わず「(生きてるわぁ)」と心で呟いた。
 
確か執刀医から「無事に終わりましたよ~」と声をかけられたと思う。
その時に”お土産”をいただいた。
私の胆嚢(たんのう)で生まれて大きく育った胆石。
あまりにイメージとかけ離れていて驚いた。
もっと黄色っぽくて丸い物をイメージしていた。
これは体内にあってはイケない物体である。
 
 
ちなみに執刀医はJOY…ちがう💦
ジョイマン…ちがう💦
執刀医は30代くらいの女医さんで、なかなかの美人だラブラブ
 
 
まだ麻酔が少し効いており、ぼーっとしてて記憶も曖昧。
夢と現実の狭間にいるような状態である。
しかも酔っているように目が回っていて気分も最悪だ。
麻酔と書くのだから”酔”うのはあたりまえか…💦
 
 
その後、回復室と呼ばれるナースセンターから丸見えの部屋に運ばれ、見守られながら一夜を過ごす。
 
37℃~38℃超の熱とお腹の痛みに耐えた。
尿管には管(くだ)が入っており、言うなれば垂れ流し状態で、排出された尿はベッド横に吊るされたナイロン容器(ZIPロックみたいな袋)に注がれる。
 
喉と口の渇きが半端ないので、看護師にお願いして濡れたガーゼを口に噛ませてもらった。
しばらくチューチューしながら渇きを補った。
鎖骨のくぼみ具合が、少し”おじいちゃん化”してきた💦
 
腹部には4ヶ所の傷があり、少しでも体を動かそうものなら腹部に激痛が走る。
寝たきりでほぼ身動きがとれず、腰の痛みもMAX。
 
術中にお腹の中を広げるためにガスを注入したため、腹部の張りがキツく呼吸が浅くなって睡眠中の自発呼吸では肺に空気がうまく入らない。
そのため血中酸素濃度が90を切って赤いサインの点滅と「キンコーン、キンコーン」とアラームが鳴った。
 
その音に目を覚まし、大きく深呼吸をして酸素を補うことを何度か繰り返した。
2~3回深呼吸すると顕著に酸素の数字が95~98に上がるのが少し面白く、暇つぶしにわざと呼吸を浅くして数値が下がるのを実験したりした。
(危ないからやめなさい…💦)
痛いし、熱っぽいし、腰痛いし、息苦しいし、寝れないし。
この回復室で過ごした24時間が一番辛かった。
 
[手術翌日]
回復室での24時間モニタリングが終わると、元の4人部屋の病室に戻るのだが、その前に尿管の管を抜き、着替えと歩行チェックを行う。
 
まずは尿管に入れていた管(くだ)を抜く。
これがなかなかの痛さだ。
 
自分で紙のトランクスを下ろして看護師(この日はタマタマ男性看護師)に○○チンを差し出す。
(○○の意味ないやん、○○はチンに決まってるだろ…💦)
 
男性看護師が「行きますよ」と言い、私も「いいよ!」と力を抜く。
ズルズルとゴム製の管が私のアレからどんどん出てくる。
「うーっつつつつ、うー、ふー…」と小声で悶絶しながらも
「おー長いね、長いね、意外と長いねぇ」と平静を装う。
長さ20センチくらいか。
おそらくは膀胱の出口まで入っていたと思われる長さだった。
ちなみにしばらくは放尿時にツーンとした痛みが残る。
今でもけっこう痛い…💦
 
その後、お湯で濡らしたタオルで体を拭いた後は"生着替えタイムドキドキ"だ。
手術着から自分の下着とパジャマに着替えるのを看護師と女学生に援助してもらうのだ。
(ここからまた看護学生登場)
 
上半身はまあまあ特に問題はない。
問題は下半身だ。
 
女学生が見てる前で男性看護師(25~27歳くらい)はおもむろにハサミを出し、紙製トランクスをズタズタに切り始めた。
「(おっと、こやつ、”そう言う趣味”か?)」
私は心で囁く。
 
男性看護師は私のトランクスをビリビリに切り刻みながら、女学生に向かって「使い捨てトランクスだから、この方が手っ取り早いよ」と息を荒げて教えていた。
私は「(なるほどね~)」とまた心で囁く。
男性看護師は”そう言う趣味”ではなかった💦
 
そして私の股間は数秒だけ開放されたが、下着とパジャマのズボンを素早く履かせてもらい"生着替えタイムドキドキ"は終了。
 
ふぅ、いろんな汗をかいた…💦
 
またしても私の恥ずかしい部分を女学生に見られてしまった。
女学生もイケナイ物を見たかのように、複雑な表情だった💦
ま、これも良い経験だ。
ただし、色、形、サイズなどは秘密でお願いする。
 
その後立ち上がれるか確認するため、ベッドの背もたれを上げてもらい上半身を起こして気分が悪くならないか様子を見る。
少し頭を前後左右にゆっくり動かした。
数分後、看護師と女学生に補助してもらいながらベッドの縁に移動。
二人に支えられながらゆっくり立ち上がった。
 
筋力が衰えているようで若干ふらついたが、なんとか行けそうだ。
”ポチ(点滴)”を連れながら、女学生に付き添ってもらい少し廊下を歩いた。
 
歩を進める度に少しお腹が痛むが、ベッドからベッドまでの往復にして10メートルほどを歩いた。
 
これでようやく回復室を出ることができるのだ。
 
 
斯(か)くして無事に元の四人部屋に戻った。
 
 
つづく