あけましておめでとうございます!

お正月って地味にやることないですよね(笑)

最近エロゲもやりたいのがなくて虚無の三日間を過ごしそうです……

さて、本題に行きましょうか。

 

本ブログはネタバレありですので、未プレイの方はブラウザバック推奨です。詳しくは#1参照

 

振り返り感想の第三作目は『さくらの雲*スカアレットの恋』です。暇だしいっぱい書きたかったので、一緒に振り返っていきましょうか!

 

 

さくらの雲*スカアレットの恋           きゃべつそふと

 

全体:88点

シナリオ:A キャラ:S 曲:B BGM:A ボリューム:S (C~S)

 

え、普通に面白くてビビるんですけど。今年は良作多くてうれしい限りです。もう去年か。

筆者はアメイジンググレイスのシナリオが面白かったと聞いて(なぜかこちらを)プレイしたのですが、評判通りの作りこまれたストーリーでした。

キャラの感じとか一見するとキャラゲーにしか見えないのですが、伏線モリモリのがっつりストーリーゲーでしたね。

このギャップがあるからこそストーリーも映えるのかもしれない。知らんけど。

あと舞台は大正時代なんですが、好きなんですよねぇ大正浪漫

攻略順というか分岐はほぼなくて一本道です。選択肢はあったけどルートには影響しない、近年のエロゲあるあるです。

 

 

 

アバンタイトル(序~1章)

「桜の木の下には死体が埋まっている」を読んでたら大正時代にタイムスリップしちゃった主人公の司。たまたま傍にいた所長の助手として探偵事務所で働くことになります。あと居候もね。

親殺しのパラドックスだけ起こさないようにしないと司消えちゃう!でも帝都にいるとも限らんし、普通は接触しないか……ガハハ! なんじゃそりゃ。

最初の依頼は三日間でまりもを探してほしいというもの。

大正時代の日本橋でまりもは無理では?と思いきや、影虎(さすらいの画家)が持ってました(^^)v

天才変態発明家の伏倉万斎がなぜか持っていた宮沢賢治の詩と物々交換で手に入れOP突入です。

あと、本筋に関わる話や伏線もちょろちょろ出てきます。

帝都に一人ガチモンの超能力者がいるとか、アララギという軍服を着た妖精みたいな奴に「未来に戻りたいなら帝都の歪みを直せ」と言われたり、加藤大尉という人にタイムスリップのことを見破られたり。

 

ここまではぶっちゃけ普通のキャラゲーです。

つまらなくはないけどプレイ中は結構不安でしたね。ただのキャラゲーを掴まされてしまったのではないかと思いました。(笑)

ちなみに本作は章ごとに区切られています。

まあ、ここからどんどん加速していくから見とけよーー。ってもうプレイ後か。

 

てか、所長可愛すぎません?服装も性格も声も完璧なんだが。

筆者もこんな上司ほしかったな。素知らぬ男に居候させるほど貞操観念ガバガバだし……。

 

 

 

 

共通√(2~4章)

【2章】

巷で話題の怪盗を捕まえたいと所長。そんな折、渾天儀を怪盗から守ってほしいと博物館の館長から依頼が舞い込みます。お、ラッキー。

わちゃわちゃ捜査したり謎解きした挙句、結局盗まれてしまいます。渾天儀ではなく青銅の歯車をね。ふーん。

この演出すこ

 

【3章】

お次は探偵事務所のパトロン的存在である透子お嬢様からの依頼。柳楽刑事と記者のマイ、透子の友達であるヒミコや学生の蓮も一緒です。そんなに人要る?

メイドのメリッサが屋敷で幽霊を見たらしく、その調査をしてほしいとのこと。詳しくはステンドグラスからの異音、急に開かなくなる扉、ガタガタ震える窓、落ち武者の霊に金縛りと盛り沢山です。

これもわちゃわちゃと捜査して伏線を集めていく感じ。

結末を言うと、異音の正体はイタチのため糞、扉は気圧差、そして窓の震えは掘削機から発せられる低周波音が原因でした。低周波音の影響をモロに受けたメリッサは睡眠がとれずに、金縛りやそれに伴う幻覚を見てしまっていたわけですね。

 

【4章】

従来より3年早い1920年に大震災が起き、帝都は大混乱。司は加藤のせいだと睨みますが、証拠は何もなくあしらわれてしまいます。

アララギから失敗してしまったという事実を突きつけられ、並行世界に願いを託すべく電報を打って一旦幕を閉じます。

あ、ついでに透子が怪盗と繋がっていたことが明らかになります。

 

うーん、これは素晴らしい引きですねぇ。

 

割と探偵ものっぽく話が進んでいきますね。その話での伏線と本筋の伏線が入り乱れてそこそこ難解になっているのがいやらしいです。

各話のトリックはまあ単純かな。でもガッツガツの推理はそんなに求めていないのでOKか。そうですね。

メリッサ可愛くね??普段は落ち着いた態度なのですが、幽霊が苦手でビクビクしちゃうの最高。(笑)

ちなみにここまでの印象はちょっと面白いキャラゲーって感じ。でも引きは良かったので個別√に期待ですわよ。

 

 

 

透子√(5~6章)

並行世界の1話からスタートしますが、1~3話はほとんど端折りながらの進行です。

ただ4話の司が残した電報によって震災復興の立役者であった人の暗殺が防がれます。

これにより、並行世界として前の世界とは分岐していきます。バタフライエフェクト的なね。

 

【5章】

館長から呪いのヴァイオリンを浄化してほしいとの依頼。

引き受けたはいいものの、肝心のヴァイオリンを例の怪盗というか透子に盗まれてしまいます。おいおい。

そんな中透子から指輪を探してほしいと依頼が入ります。怪盗の捜査を遅らせたいということでしょうね。

デート捜査をするうちに両思いになって結局怪盗の正体を暴き、透子関連の歪みが戻りましたとさ。めでたしめでたし。

 

【6章】

実は怪盗の実行犯はリーメイ(ちょくちょく出てきてた)だったのですが、どうやら過去にハセクラなる人物と接触していたらしい。

ハセクラ=加藤と分かったところで、歪みを戻すためにも過去を清算することにします……できませんでした(笑)

結局ハセクラハカトウと電報を打って本√は幕を閉じます。

 

 

リーメイとか透子とかこのブログではあまり取り上げませんでしたが、ちょくちょくでてくるキャラです。このゲームはヒロインの他に主要人物が10人もいるせいで紹介しきれないんですよね(笑)

総勢15人のキャラが複雑に絡まり合いつつも綺麗にまとめるのが本作の良い所なのですが、どうにもブロガー泣かせな構成ですね。

透子√は最初から犯人が分かっているものが多く、古畑任三郎のようにそこからどのように解決していくかがキーとなります。試みはいいけど、内容としては微妙かな。

あと、Hシーンの導入が適当なのは気になる人多いと思う。ノルマのごとく連続でパコっていきます。まあ筆者はHシーン飛ばす派なのでどうでもいいんですが。

ハセクラ……セクハラ…………考えすぎか(笑)

 

 

 

 

蓮√(7~9章)

【7章】

ある日探偵事務所に3つの依頼が舞い込みます。

それぞれ、成金の成田から永久機関≒単一磁石を見つける依頼(そもそも存在しない)、漣と影虎からバームクーヘンを作る依頼、万斎から棲みついたオオカミを野生に返す依頼。

この話では中々上手くいかないなぁとか言いながら、ちゃっかり蓮といい感じになって8話に移行します。

 

【8章】

様々な協力を得ながら1つずつ依頼をこなしていく一同。

蓮とは恋仲になるし順風満帆いい感じ♡

 

【9章】

最後に残ったのは永久機関の依頼です。成田のバックに加藤がいるようで、きな臭い展開。

他にも地熱発電然り、万斎のお見合い然り、主人公の右手の運動()然り、伏線のオンパレードです。地熱……地震……あっ。

結局成田を尾行することで加藤による成田殺しを防いだ司は、蓮とイチャコラして終了です。依頼はそもそも成田が莫大な金を加藤に貢ぐためだったが、司が解決したのでもういいです。

 

 

本√では急に司が「未来人が大正時代の人と恋愛していいものか」とチキりだします。

透子の時は猿のように付き合ってた気が。まあ並行世界なので多少はね。

恋愛の駆け引きであったり、頻発する毒にも薬にもならない選択肢であったり、THEキャラゲーといったシステムですね。

このように各√によって毛色を変えているのはさすがに意識してのことでしょう。この√の是非はともかく中々面白い発想です。

永久機関はがっつり本筋に関わり、オオカミも歪みの1つ。

では、バームクーヘンの話は何でしょう。ま、マジでわからん。なんだこれ?

本作は素晴らしいことにほとんどのストーリーが本筋に関わってきます。それゆえに、凄い浮いてしまうバームクーヘン。まあええか。

ちなみにこの√のキャラゲー色が強かったため、筆者がプレイした時はやっぱりキャラゲーじゃねえか!って憤っていました(笑)。

 

 

 

 

メリッサ√(10~11章)

【10章】

なんと舞台は豪華寝台特急。さながらオリエント急行殺人事件です。

目的地は不明で、到着までにそれを当てた人に賞金1万円とのこと(現在価値で億レベル)。

しかし、透子とメリッサの言い争いや、リーメイと影虎の喧嘩、成田の胡桃が盗難されるなど怪しい雰囲気。

メリッサと行動を共にする中、成田の死体が発見されます。アリバイやらなんやら確認してる内に第二の被害者が……。

リーメイの葉巻が盗まれました。もちろん翌日リーメイは殺され議論は紛糾。

理不尽にも司とメリッサが怪しまれ、空き部屋に隔離されてしまいます。密室に男女二人、何も起こらないはずがなく……。

パコったり列車内で見つけた手記を読んだりと意外に楽しそうでした。(笑)

手記の内容は超能力に目がない「余」がカヤノという超能力者(ただのトリック)と出会った軌跡です。司は他の推理も併せて、この旅の目的がカヤノを探し出すこと、そしてカヤノ=メリッサだと突き止めます。

その後「余」の正体にして、二人を殺害した柳楽刑事を炙り出し、長い旅は終わりを迎えます。

 

【11章】

ふいーーっ、一仕事終えた後のHは最高だぜ!というだけの話。

最後にメリッサから一つだけ推理が間違っていたと告白を受けます。

 

OPのBGMと共に衝撃の告白!演出も相まって鳥肌全開でした!

 

いやー、めっちゃ好きなんですよね、こういうの。本当に面白かったです!

え?アララギがいるって?なんか「司が不甲斐ないからワイが動いたるわ」って感じらしいです。

でもおかげで強力な仲間が手に入ったのでアララギの思惑通りなんですかねぇ。

実はカヤノ=メリッサと、余=柳楽は伏線がそれぞれ存在します。どっちも筆者は初見で気づきませんでした。(笑)

こういう細かい芸からも作りこみ方が見て取れます。美しい!

1点文句をつけるとするなら、アリバイに関するトリック(?)です。

返り血をどう処理したか、に対して銃殺では返り血はつかない!ってこんなんあり?通常の推理ものではまずありえないでしょう。まあ筆者は細かいこと気にしないのでいいんですが。

 

 

 

所長√(11~最終章)

【11章】

終始、所長のモノローグ。密かに募らせている司への親愛の情と、司が何かを隠しているということです。今までポンコツな所しかない所長ですが、どうなることやら。

 

【12章】

まずは電報を受け取った司はメリッサに協力を仰ぐことに。どうやら人の歪みまで見える様子。これを指標に歪みを正すことから始めます。

好都合なことに事務所に来たたくさんの依頼を解決し、主要人物の歪みを正していく一同。しかし、柳楽刑事の歪みは色濃いままでした。

所長は今まで感じてきた数々の違和感を基に、ついに真実を導き出します。

 


 

【13章】

この場面で流れ始めたかっこいいBGMと共に13話に突入です。

司がいた時代は令和ではなく、桜雲という戦禍の時代でした。その時代に帰らないように司は歪みを増やしていたのです。

思えば右手の運動も、テロをつぶして回る行為も、絵や字を書くのが下手だったことも全ては伏線だったんすね。

結局所長が司を説得し、未来に帰る決意をします。あと二人は付き合います。おいおい。

 

【14章】

あとは万斎が作らされそうになっているタイムマシンの発明を止めるだけです。

とか言っている間に、万斎は加藤に略取されてしまいます。あらら。

司達は文字通り全員の力で、タイムマシンの完成前に加藤を消しに行きます。

一度はピンチに陥るものの、万斎のお見合いを破談させることで親殺しのパラドックスを誘発し、加藤を撃破します。何を隠そう加藤=伏倉弁慶、つまり万斎の子孫だったのです。

【最終章】

またまたかっこいいBGMと共に最終章へ。演出が熱過ぎる!

膨大な伏線回収と所謂解決編を行い、事件は収束します。

最後は涙のお別れの後、司を平和な時代である令和に返し、めでたしめでたし。

 

 

いやーー、非常に良い√でしたねぇ。

最後の所長との別れやエピローグの手紙など、そこそこ感動できる内容です。そこそこね?

でも1つわからないのが、結局所長は有能なんすかね?今までの所長と頭の切れ具合がまるで違ったので、どっちが本当の所長なのやら。

個人的には、地味に11章のモノローグがファインプレーです。所長と司の絆が相当深まっている前提の話なので、ここで一回意識させてくれるのは非常に大きかった。

 

 

総括

本当に面白かったです。オススメの一作ですよ!

伏線の数、全部で100超えてるんじゃね?

わかりやすい伏線から、わかりづらい伏線までメリハリが効いてます。伏線のメリハリって何だよ……。

本作はやろうとしていることが全て上手くできていたら、超大作として語り継がれるエロゲになっていたのではなかろうか。

クオリティが高い分、ちょっとしたミスが目立って足を引っ張った印象です。

とは言っても及第点は優に超えているため、むしろこれからまだまだ伸びしろがあるといった感じ。

毎回曲をべた褒めしてますが、本作は特に刺さらなかったかな。

BGMは大正の感じが出ていてgood!

最終局面で10人以上のキャラにそれぞれ特徴を活かした役割を持たせた所は、今までの全てが無駄ではなかったと思わせてくれます。

あと演出がとても良い。というか今までやったエロゲの中で一番良かったかも。

 

こんなところかな。みんなに2020年を代表するエロゲの一つ「サクレット」を是非やってほしいですね。まあ、既プレイの人に向けた記事なんですけどね。