他のSNSに投稿したものですが、こうしたものはブログの方見やすいと思い改めて記載してみたいと思います。

 

基本的にAlfred Arnold社製バンドネオンに関することと認識して頂ければと思います。

 

「1930年代製造の楽器が最良」、「これは1930年代製造の楽器です」といった文章をよく見かけます。

私が楽器を始めた20年ほど前、ちょうど近年のバンドネオン・ピアソラブームがきた時には既に言われていたことですが・・・根拠は・・・よくわかりません(^▽^;)

 

それでも、良いと言われれば、それが欲しくなりますし、持っている方であれば自分の楽器はそうだと信じたくもなります。

 

他にも、「三ツ星のバンドネオンは音が良い」とか、ある海外の修理工房の方の資料として「Aのスタンプが押されている楽器が最良」とか、根拠が良く分かりませんが、こうした言葉がどんどん独り歩きし多少なりとも楽器の価格を左右しているところもあります。

 

根拠のよくわからい事は置いておいて・・・

それでも、自分の楽器がいつ頃製造されたものなのか、これについては知りたいなと・・

私自身も思うところはあり、自分なりに製造時期を知るための情報を記載してみようと思います。

 

まず、正確に知ることは難しいですが、おおよそではあるが確実に判断する方法として、楽器の内部に押された製造番号のスタンプが一番確実です。中には製造番号と共に製造年月がスタンプされた楽器も残っているようです。

 

製造番号は高音域(右)はD、低音域(左)はBで始まり、その後に続く番号が製造番号です。
因みに、製造番号はAA社製の楽器全てに振られているようで、即ちAA、PREMIER、AMERICA、CAMPO、3B、及びライニッシュ・アインハイツ関係なく付与されているようです。

 

 

ここからどう判断するか。

実は、ある文献に製造番号・製造時期が分かっている個体がいくつか記載されており、それと照らし合わせ判断するといったものです。

 

そちらの製造番号・製造時期については、以下に添付します。

皆さんが楽器を調べる一つの基準にしてみると良いかもしれません。

 

 

15900 1928/03/01製
26673 1928/06/27製
31769 1st type 1930/04/11製
32699 1931/03/02製
101770 1936/09/29製
104735 1937/03/02製
105700 1937/09/22製
107282 2nd Type 1939/07/20製
111703 1939/08/03製
112232 1942/04製
113138 1944/04製
113945 1950製
 
これだけわかっていると、おおよその製造時期を判断することは比較的容易かと思います。

 

さらに、上記に添付した画像は私の所有する楽器ですが、製造番号33065でおそらく1931年製であることが分かります。

この楽器は右側面のカバーの透かし彫りのデザインが2ndTypeになります。製造番号31769(1930年製)が1stTypeであることが分かっていますが、1930年代に1stTypeの楽器は殆ど製造されていないことも読み取れます。

真偽は定かではありませんが、良い楽器とされる1930年代の楽器を欲するのであれば2ndTypeをさがすことが確実かと思います。
1930年代製造の楽器が良いというよりは、単に2ndTypeが良い楽器という意味なのかもしれませんが・・・

 

何をもって良い楽器とするかは個人の考え方により十人十色だと思います。どちらのタイプでも個人的にはどうでも良いのですがw

でも、良いと言わるならその方が良いなとはおもいます。私も周りに左右される生き物ですからw

 

1st Type

 

2nd Type

 

製造時期の判断について、考えられる一番精度の高い判別について記載してみました。

しかし、この製造番号のスタンプが残っている個体自体が多くはないのも事実です。

 

次回は製造番号以外の側面から判別していく方法について記載してみます。

 

※※注意点※※

一般的に製造番号とは低い番号から順に振られますが、必ずしも一連の番号が割り当てられているとは限りません。
製造番号は、その役割や種類など、様々な理由から見分けがつくように工夫し番号が振られることがあります。

上記製造番号からも、一部期間で急激に製造番号が飛んでいる部分もあり、そうした番号が全て楽器に振られているかどうかは未知数です。製造番号は製造台数を示すものではない事は気に留めておくべきと思われます。