「バンドネオンってどんな楽器?」

 

これが、また厄介でいくら説明してもどうにも定着しないw

無論やってる方は理解していることだが、まず口を酸っぱくして言い続けているのが「アコーディオンではない。」という事。私にとっての心の師匠:小松亮太さんの演奏会、あるいはテレビ・ラジオの出演等でも毎回説明されているのを耳にするw(実は一時個人的にレッスンを受けたこともあります。10何年も前ですが。嬉しかった(^^♪)ついこの間の演奏会で小松さんが「ボタン型のアコーディオンだと思う人!」と、会場のお客さんに質問すると、実に2~3割のお客さんから拍手が・・w小松さんも「毎回説明はするんですが、おそらくこの状況は変わらないんでしょうねw」と苦笑いw

 

左右がボタンのアコーディオンと理解している方がいるようだが、それはそれで確かに現存しており、女優の藤田朋子さんの旦那さんでアコーディオン奏者の桑山哲也さんが弾いている楽器がまさにそれ。

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  ボタン式アコーディオン

 

これはこれで、かっこいいんだ。自分も桑山さんの演奏好きだな。実はアコーディオン自体も結構好きだったりする。他にもCobaさんの演奏も聴きに行ったことがある。但し、Cobaさんのアコーディオンは右手は鍵盤。アコーディオンにも色んな種類があるんですね。

 

実はバンドネオンもアコーディオン同様に、様々な種類があり、これが初心者やこれから始めようという人を混乱に陥れる理由でもあるのだが。まあ、それはまたの機会に説明してみます。

 

自分の私感だがバンドネオンとの決定的な違いは「見た目」「音色」この2点と考えていいだろう。

 

                バンドネオン

 

見た目は写真を見て頂ければ一目瞭然だと思う。

音色はというと、アコーディオンの音色はビブラートがかかっているのに対し、バンドネオンの音色は真っ直ぐストレートで鋭い刃物のような感じ。

 

 アコーディオンは今現在でも、公に結構良いものが製造されているようですが、バンドネオンは演奏活動に使える程の良いものは、現状製造されていない(第2次世界大戦の影響で当時の技術者が徐々に減り製造技術が失われて来たとか・・)。

 

 ここで説明しておかなければならないのが一つ。バンドネオンはアルゼンチンタンゴの花形楽器などと言われるが、発祥の地は全然関係ないドイツの田舎町カールスフェルト。知っての通りアルゼンチンは移民の町であり、この地に船で渡って来た移民たちがバンドネオンを持ちこんだのが始まりとされている。そして、この楽器こそがタンゴを変えたとも言われドイツで製造された楽器のほとんどがアルゼンチンに輸出される。実はアルゼンチンでバンドネオンは一切製造されていなかったようで、そのため戦争後ドイツのバンドネオン工場は国策のため閉鎖したり、別の工業製品を作るようになり徐々にバンドネオンの製造は途絶えたとか。近年のピアソラブームの影響などもあり、アルゼンチンにあった古いバンドネオンの多くが外国に流出(※日本には相当数の楽器が入ってきていると思われる。)。この状況に危機感を感じたアルゼンチン政府がバンドネオンの国外への持ち出しを禁止する法律を施行している。このため、元々入手困難であった楽器は、更に入手は厳しくなったとも言われている。

 

 そんな中でも、新たにバンドネオンを製造しかなり良好なバンドネオンを製造している製造者が出てきているとのこと。私が信頼している日本の修理工房のマイスター曰く、“Baltazar Estol”という方が製造している物は比較的良い音が出る様子。また、私の信頼する工房のマイスターもバンドネオンを製造過程にある様子。完成が楽しみだ(^^♪

 

次回は、一般的にタンゴで使用されるバンドネオン(ディアトニック71ボタン式)という種類のバンドネオンについて記してみます。宜しければ、見てやってください。

 

※念のため言うと、こうした楽器そのものについては自分もリアルタイムで勉強中。それを記録に残す意味でもBlogに残してます。ので、温かい目で見て頂ければ幸いです。