
「もうすぐティモシーも1歳になるな」
「ほんと子供の成長ってあっという間だな〜」
俺も熟年になったことだし、これがいいタイミングだと思うんだ。
「エヴァ、お前に大事な話がある」
「なに?」

「父さんにはまだまだ頑張ってもらわないと!頼りにしてるんだから♪」
「まったく……」
エヴァにはまだ自覚が足りないみたいだ。俺だってずっとここにいられないのに。
(母さんみたいに小さい頃から英才教育しておくんだった…)
親になって知る親の気持ち。この年になっても学ぶことはたくさんある。そして、先祖を敬う気持ちもより大きくなる。

3番目で長女のイヴが成人!おめでとう!
「成人おめでとう、イヴ」
「ありがとう父さん。家を出る日まで山岳兵としてしっかりお務めします」
「なにも無理に家を出なくてもいいんだぞ?」
「あら、私に結婚するなって?ふふっ、父さんは本当に私達娘には甘いわよね」
「父親は娘がかわいいものなんだよ」
イヴは兄弟の中で一番のしっかり者だ。きっと外の世界に出てもうまくやっていけるだろう。
イヴが成人したことにより引き継ぎはラヴに決定です!

孫のティモシーも1歳になって歩けるようになった!父親であるエヴァにも似てるけど、優しげな目元が亡くなった父さんによく似ているなぁ。
「じーちゃん!魚釣りしに行こう!♪」
「探索が終わってからな♪」
「じーちゃん約束だからね!」
うーん、『じーちゃん』呼びに慣れるにはまだまだ時間がかかりそうだ。
孫〜〜っ。゚(゚⊃Д⊂゚)゚。

めでたいことは続き、今日は次男ヴァンの結婚式!そして山岳兵を出る日でもある。

「おめでとうヴァン。初めて着る国民服はどうだ?」
「カッチリしてて着心地悪いんだよなー。山岳兵の服は動きやすかったけど」
「ハハ、ケリーと同じこと言ってる。まあすぐに慣れるさ」
「……父さん。今までありがとうございました。山岳兵ではなくなるけど、べドフォード家に生まれたことを誇りに思って生きていくよ」
「ああ…(ダメだ、泣きそうだ)」
お前のことは外に出しても恥ずかしくないよう育ててきた。お嫁さんを大事にして、幸せに暮らせよ。

「ねぇじーちゃん。ヴァンおじさんはお家出ちゃったけど、ボクもオトナになったらお家出るの?」
「いや、ティモシーはこの家にずっといなきゃいけないんだよ」
「ぇえ?ずっと?ずっとはやだな。ボクだってお家出たいよ」
「そうか?選ばれた山岳兵なんだぞ?」
「選ばれたサンガクヘー…??なんかカッコイイ…」
「ふふっ、そうだろう。かっこいいんだぞー」
「ボク、選ばれたサンガクヘーになる!!」キラキラ
「アハハ、頑張れよー(もう選ばれてるんだけどな)」
エヴァの次はティモシーがこの家を継いでいく。ティモシーには強い男になっていってほしい。
さて、じいちゃんも負けずに頑張りますか!

もう瘴気の森も1人でもへっちゃら───
「ハァハァ……っ??」
息が上がっていていることに自分でも驚く。心に身体が追いついていない。
「・・・・・」

「ん…おはよ、エーヴちゃん」
「おはよう♡(エリーくん、最近なんだか起きるのが遅くなった…??)」
自分の手を見つめてみれば、シワの多くなった手。ゆっくりと力を入れて握ってみても、うまく力が入らない。
「・・・・」
ここ最近、ずっと押し寄せてくるような不安の正体をわかってしまった。

(俺の命の限りが近付いている)
エーヴちゃんに伝えなければ。一番大切なエーヴちゃんに。
「エリーくんお待たせ!ここはやっぱり静かねー♪」
「エーヴちゃん…」
「どうしたの?真剣な顔して…」
星の日、毎年デートを重ねたこのニヴの丘にエーヴちゃんを呼び出した。

「エーヴちゃん。俺はもう永く生きられない」
「…何言ってるの?」
「自分の身体のことは自分が一番よくわかってる。最近、身体が思う様に動かないんだ」
「えっ…??…き、きっと探索のしすぎで身体が疲れちゃってるんだわ!ね、明日からはもう探索に行かないで、ねっ?」
「それは出来ない」
「っ!!」
「俺にはずっと掲げてきた目標があるから。自分の限界まで頑張ってみたいんだ」
「…何言ってるのエリーくん、限界って…もう十分頑張ってきたじゃない!この国の勇者にもなって、バグウェルを倒して龍騎士にもなった!今まで十分すぎるくらい頑張ってきたわ!お願いだからもう自分の身体を傷つけないで!!」
「…………」
エーヴちゃんの言ってることは正しい。でも自分の考えを曲げる訳にはいかない。
これが俺の生きてきた道だから。
「……っ知らない!エリーくんのバカ!!」
「っエーヴちゃん!!」

「エーヴちゃん……」
「・・・・ぐすっ」
怒るのも無理ないよな、俺がエーヴちゃんの立場だったら同じようにしてる。
(君を傷つけたくない、でも………)
ごめんエーヴちゃん、ごめんよ…本当にごめん。
(俺だってどうしたらいいかわからない……)
家にいるのが辛くて、街をフラフラと彷徨う。
「エリーくん?こんな時間にこんなところで会うなんて珍しいわね」
「っティファニーちゃん…俺、俺っ……」
気心の知れた幼なじみの顔を見て、張り詰めていた気持ちがふっと緩む。同じ熟年のティファニーちゃんなら、気持ちをわかってくれるんじゃないか。

「何言ってるのエリーくん!あなたにはまだまだ頑張ってもらわないと…!」
若い頃は疲れというものを知らなかったのに、今じゃ体が重くなるばかり。身体が動かなくなる恐怖。
「死にたくないっ、まだみんなと一緒にいたいんだっ…!!」
「エリーくんっ……」
「あの頃に戻りたいっ、みんな元気だったあの頃へ・・・・」
赤色の制服を着た俺。若い父さんと母さんに、4人のじいちゃんとばあちゃん。俺のあとをついてまわる幼いケリー。一緒にドルム山を駆け回る幼なじみ達。
子供みたいに泣きじゃくる俺の体を揺らすティファニーちゃん。
「エリーくんっ、気を強く持って!昔に戻ったって何も変わらないわ!エーヴちゃんやかわいい子供達にも会えなくなるわ、それでもいいの!??」
「っ!!」
そうだ、俺は今の幸せを知ってしまったから、もう戻れない。終わりがすぐそこまで来ていても、前に進むしかないんだ。
「っ…ごめんティファニーちゃん、俺、なんだか弱気になって…こんなみっともないところ見せて…ぐすっ」
「ううん、あなたならきっと大丈夫。これからもずっとみんなと仲良く暮らしていけるわ」
「……ん、ありがとう。そろそろ帰ろうかな、ってこんな顔じゃ帰れないけど。ちょっと酒場に寄って帰ろうかな」
「あまり遅くならないようね、気を付けて帰ってねっ」
「ありがとう」
(かわいそうなエリーくん…あんなに大きかった背中が今は小さく見えるわ。あれだけの強い人が自分の限界を知った時、どれだけ悲しいことか……)
「この国にはまだ勇者が必要よ。お願い。一日でも長く生きてっ……」
☆☆☆
エリーーーーー゚(゚´Д`゚)゚
まさか、まさかの寿命宣言……。長生きとまではいかなくても22,3歳までは大丈夫かなとのろのろ探索してたら…エリー嘘だと言って(;;)探索行きすぎて体壊しちゃったの?エリー、いやだよエリー。。。
突然すぎて、驚かせてしまったらごめんなさい。プレイ時もかなりの衝撃でブログでどうやって書くかかなり迷いましたが、ようやくこの段階に入りました。この数回ほんのりフラグを立てていたのですが気付かれた方は名探偵!
エリー編残りわずかになりますが、最後まで見守って下さいm(_ _)m