キッチン吉本ばなな「キッチン」
著者:吉本ばなな(よしもと・ばなな)
価格:420円(税込)(文庫)/読んだのはハードカバーで1000円(税込)
出版社:角川書店
評価:★★★★☆

粗筋:台所が好きで、幼い頃に両親を亡くし、祖母に育てられたみかげ。しかし、その祖母も死んでしまい、一人になってしまう。そんな時、祖母と親しかったという雄一が現れ、みかげは雄一の家に居候する事に。雄一と、その母親(訳あり)えり子さんと共に暮らしてゆく日々は、みかげにとって心地よいものだった。そのほか、満月‐キッチン2、ムーンライト・シャドウを収録。

感想:とにかく読みやすい。こう、リアルに人が話している感じというか、いい意味で俗っぽい。普段の言葉に近い分だけ、噛み砕く必要もなく、すいすい読めた。それでいて描写が分かりやすくて、主人公達の気持ちがよく分かった。少し変わった感じと、優しい感じと、そして一生懸命生きているところがドッキングしていて、押し付けがましいところが無く書かれていた。それは3篇共におんなじ。ムーンライトシャドウは、このキッチンシリーズとは関係ないけれど、こっちもおもしろい。地に足を着けながら、非現実的なお話、というのはとても好きです。少ししか登場しないうららさんや柊君がとても魅力的に書かれていました。いい作家に出会ったなあと思いました。

ブラフマンの埋葬小川洋子「ブラフマンの埋葬」
著者:小川洋子(おがわ・ようこ)
価格:1365円(税込)
出版社:講談社
評価:★★★☆☆

粗筋:ある日いきなり、僕の元にブラフマンがやってきた。齧るのが好きで、泳ぐのが得意で、人間の言葉を理解しているようにも見えるブラフマンと、(創作者の家)の管理人・僕との穏やかで優しい日々を描いた中編。

感想:ストーリーとしては淡々としていて、緩急は特に無い感じ。すごく短い(140ページぐらい)ですが、けっこう読むのに時間がかかってしまいました。しかし、描写はやっぱり綺麗!ストーリーの方だけでは、★二つだと思うんだけど、この描写だけで一つ増えました。優しい雰囲気とか、穏やかな雰囲気とか、全部がすごく感じられた。そして何よりブラフマンかわいいです。こういう犬(?)ほしいなあ。


スローグッドバイ 石田衣良「スローグッドバイ」
著者:石田衣良(いしだ・いら)
価格:1575円(税込)
出版社:集英社
評価:★★★☆☆

粗筋:都会を中心に、様々な形の恋愛を描く短編集。インターネットや、コールガールなど、場面は様々。石田衣良はじめての恋愛小説であり、短編集。「泣かない」「十五分」「You look good to me」「フリフリ」「真珠のコップ」「夢のキャッチャー」「ローマンホリデイ」「ハートレス」「線のよろこび」「スローグッドバイ」以上10篇を収録。

感想:特に感銘を受けたわけでもないけれど、普通に読む分にはおもしろかった。不快だ、という作品も特になし。内容があるのかないのか分からない、と友達が言っていたけど、そうかも。深い何かが隠されているような気もするし、特にそんな事も無いような気もする。大体はあっさりと流せる感じのお話で(多分話の短さも関係しているように思う)、その中でも好きだったのは、「フリフリ」「真珠のコップ」「夢のキャッチャー」の三篇。キャラや設定が好きだったのかも。