吉本ばなな「キッチン」
著者:吉本ばなな(よしもと・ばなな)
価格:420円(税込)(文庫)/読んだのはハードカバーで1000円(税込)
出版社:角川書店
評価:★★★★☆
粗筋:台所が好きで、幼い頃に両親を亡くし、祖母に育てられたみかげ。しかし、その祖母も死んでしまい、一人になってしまう。そんな時、祖母と親しかったという雄一が現れ、みかげは雄一の家に居候する事に。雄一と、その母親(訳あり)えり子さんと共に暮らしてゆく日々は、みかげにとって心地よいものだった。そのほか、満月‐キッチン2、ムーンライト・シャドウを収録。
感想:とにかく読みやすい。こう、リアルに人が話している感じというか、いい意味で俗っぽい。普段の言葉に近い分だけ、噛み砕く必要もなく、すいすい読めた。それでいて描写が分かりやすくて、主人公達の気持ちがよく分かった。少し変わった感じと、優しい感じと、そして一生懸命生きているところがドッキングしていて、押し付けがましいところが無く書かれていた。それは3篇共におんなじ。ムーンライトシャドウは、このキッチンシリーズとは関係ないけれど、こっちもおもしろい。地に足を着けながら、非現実的なお話、というのはとても好きです。少ししか登場しないうららさんや柊君がとても魅力的に書かれていました。いい作家に出会ったなあと思いました。

