ジェンガの話 | 米国のにほんじん。

米国のにほんじん。

2004年に渡米。
米国の冷蔵庫の通称を持つひえひえのミネソタ州にひんやりと在住。
2 marriage, 3 kids, one full time job and 1 divorce laterの日々のことを、
つれづれなるままに日暮らしてきにメモ。

エックスと私は、趣味や好きなことがあまり合っていない夫婦でした。

私は中途半端な田舎育ちなので、都会に対するあこがれが強く、また、怠け者の快楽主義者なので、
外食や、美術館、博物館、お買いものや観劇、音楽鑑賞や映画鑑賞のできる都市部から離れたくない、と思っていました。

それに対するエックスは、
ど田舎からの都会育ち。趣味は釣りで、できることなら365日釣りをして生きていたい、アウトドア大好きっこ。
また、思春期に都会に突然引っ越して、都会の子供たちからいじめられ、そっからぐれたっていう経験もあり、
田舎を讃美している傾向もあり。

特に子供ができてからは、子どもたちを田舎で住まわせたいという思いが強くなっていたため、
将来の終の棲家をめぐって、意見が大きく別れてしまった夜。

将来描くビジョンが二人、大きく別れていたことに愕然として、
日本人の友達も多くいて、日本の食材も手に入る、観劇や外食が簡単に行ける今の場所から。特に
子どもたちが巣立った後は、二人でそういったお出かけを増やしたい私と。

子どもたちが巣立った後は、湖のそばに家を買って、一日中湖の上で釣りをしていたいエックスと。

その夜はお互い譲れない将来象で。溝をガツンと感じたのです。

そしてその時の私が一番危機感を感じたのは、どちらの道を選んでも、
『二人』という基準で楽しく老後を過ごすビジョンが見えなかったことでした。

人と交わるのが嫌いで、人を信じないと公言してはばからなかったエックスは、きっと一人で毎日釣りへ。
お人好しと言う名のとことん人を信じてしまうあほの私は人が大好き。できれば誰かと一緒にわははと過ごしたい。

ただでさえ、当時から仲睦ましいとは言えなかった私たちが、子どもというアロンアルファがなくなったら、
全くばらばらになってしまう。

せっかく夫婦になったのに、何か共通の楽しみや趣味を見つけないと、なんでもいいから、一緒に
これをしている時が楽しい!と言える何かを見つけないと!

一緒におめかしして出かける夕食や、観劇。そのあとその感想をつまみの酒や、音楽を。
心から楽しむ相手としているはずの(当時の)夫。
あきらめたくなかったんです。
まだ、あきらめたくなかった。

それで、翌日私が買ってきたのが、
『ジェンが!!』(積み木崩しゲームの現代版のようなものです)
マッチの箱ほどの大きさの長方形の木を積み上げていって、抜いていくという単純。しかし
酒が入っていたら楽しそうなゲーム。
3歳になったばかりの息子がいても、これなら盛り上がるんじゃないか。
子供が寝た後、今は別別の部屋で、別別のテレビを見てるけど、一緒に何かできるかな??

しかし。

大方の予想通り、そのジェンガを買ってきた日は鼻で笑われ、ついに一度もただの一度も、私たちの間で
その木の塔は積み上げられることはなく。

息子と私で、ドミノのように並べて、数回遊びました。

いくつもあった木の破片は、ソファの裏やベッドの下でばらばらになってしまって。
結局見つけるたびに、捨てて行きました。

エックスにとって、私が彼と別れたいと思ったのは、半年前だったと思っているようですが、
私にとっては、『ジェンガ』が最後の彼および、結婚生活にかけた希望と願いでした。

ジェンガ~!!結局楽しいの?楽しくないの?
誰か一緒にやってくれる人、今すぐうちへ!!

敬具。