Where are you? | 米国のにほんじん。

米国のにほんじん。

2004年に渡米。
米国の冷蔵庫の通称を持つひえひえのミネソタ州にひんやりと在住。
2 marriage, 3 kids, one full time job and 1 divorce laterの日々のことを、
つれづれなるままに日暮らしてきにメモ。

夢の中で電車に乗り遅れた。

けたたましくなる電車の出発音。

先日帰省した時に聞いた、軽やかなメロディーではなく

18年前、高校生のころにせかされたあの容赦ない音。


はやくはやく。あの電車に乗り遅れたら、一日の予定がすべて狂ってしまう。


目が覚める薄墨色の雲が重たくのしかかっている。


そして時間は9時。


しまった。


今日は息子のサマーキャンプの送迎で9時20分に家に迎えに行くと約束したのに。


今から急いで向かっても間に合わない。あの電車の音は昨夜かけた目覚ましの音だったのか。


さらにひどいことにつばを飲み込めないほどのどが痛い。身体の節々が重く痛い。

熱が出る前の前兆。


EXからの着信履歴。今日の送迎を確認する電話。

寝坊したことを告げて、送りをお願いする。


帰ることのできない私の家からサマーキャンプが行われる公園まで車で5分。

EXが家を出るまで臨時滞在させてもらっている友人宅から我が家までは車で20分。


息子のクラスに申し込む時はこんな状況になっているとは予想していなかった。

朝お弁当を作ってもたせて、たった2時間半だけど、夏休みの間、息子が他の子供たちと遊べる。

野球やサッカー、水遊びやお絵かきをしたり、ゲームをしたり、きっと良い夏になる。


火曜日の朝、裁判所に行く前、熱を出した息子と鼻水をたらした娘とお別れしてから

もう2日子供たちの顔を見てない。体調を崩した子供たちのそばにいて、薬を飲みたくないとぐずる

下の子の背中をさすってあげることも、薬をちゃんと飲んだ息子の頭をなでて、えらいね、と言ってあげることもできていない。


少しだけでも今日は会えると思っていたのに。


せめてお迎えだけは行こうと思ってまた目覚ましをかけると、

窓ガラスが震えるほどの大きな音をたてて、雷がとどろきだす。


打ち付けるような横殴りの雨。


『雨がひどいし、君の体調も悪いようなので、息子のお迎えも自分が行きます』

というEXからのテキスト。


雨がざんざん降る。


息子は雨に濡れないだろうか。EXに傘のある場所を伝えるために電話する。


『息子は昨日の夜中に目を覚まして、ママがいないって泣いたよ。ママはいないって言っても聞かないで家中を探して、君が見つからないから、ベッドに戻ってまた泣いてた。息子は君に会いたがってるよ。』


雨の中、息子の送り迎えの車に乗せられる1歳半の娘は濡れてまた風邪がぶり返さないか。

薬を吐き出してしまう娘はどうしてるだろう。


『昨日から娘は初めて文章を話しだしたよ。』


娘が初めて紡ぐ文章。その音が発する場所にいてあげることができなかった。


なんて言ったの?娘はどんな文章を話した??


『WHRE ARE YOU?って言ってるよ。はっきりとWHERE ARE YOU?ってそればっかり言ってる。

息子とかくれんぼをしてたから、それで覚えたみたいだ。』




Where are you? Where are you?




ここにいるよ。ママはここだよ。

もう少し。もう少ししたら、ちゃんと一緒にいられるようにするからね。



朝からの雨はやんだけど、雲はまだ黒く、風が怪しく木々の葉を揺らして、

まだ遠くで雷がうなっている。


明日は会えるから。