異国の地に雪が降る | 米国のにほんじん。

米国のにほんじん。

2004年に渡米。
米国の冷蔵庫の通称を持つひえひえのミネソタ州にひんやりと在住。
2 marriage, 3 kids, one full time job and 1 divorce laterの日々のことを、
つれづれなるままに日暮らしてきにメモ。

主婦にはなりたくないと思っていた。


この世の中に何か家庭以外での役割がないと

息がつまって自分の思想や何もかも固まって

こびついてしまうに違いないと思っていた。

田島なんとかとかいう女教授ほどではないけれど

女であるということを言い訳にするような女にはなるまいと

思っていた。


『反、主婦派』を豪語する私は当然のごとく女を捨てて

(いや実際には捨てきれずにフェロモンを垂れ流しながら)

日夜働く道を選んだ。


4日間家に帰れず仕事をして

コンビニでパンツを買って履き替えたときもあった。


なにかがすえた香りがすると思ったら

デスクの下から香る自分の足の匂いだったりもした。


それでも私いいのと自己満足に浸る自分の意識を変えたのは

上司の奥様の一言だった。


その日私は最初の会社の上司とともに

台風の中打ち合わせ先を回っていた。


横殴りに吹き荒れる風の中目指すは海の先にある灯台事務所。


駐車場から事務所までぼろぼろになりながら打ち合わせを終えると上司が

近くにある上司の家まで『ちょっと茶でも飲んでいくか』と

誘ってくれてた。

とりあえず暖かいところならばどこでもいい。


ほくろから毛がぼよよんと伸びているようなおっさん上司だったが、

自意識過剰なところと甘えん坊なところが私とそっくりでとても馬が合った。

二つ返事で了解しさっそく突撃上司の家で専業主婦である奥さんに

お茶を入れてもらうことに決定した。


びしょびしょになったスーツを文字通りしぼりながら玄関のチャイムを鳴らすと

パタパタという軽やかなスリッパの音とともに

ほくろから毛を伸ばしている男の妻とは思えない

『主婦の友』の収納上手なカリスマ妻のようなさわやかな女性が現れ、

そして言った。

私の主婦感を覆す一言を。


『あらあら、今日は雨が降っていたから一日ハリーポッターを読もうと思ってたのよ』


、、、、、、



雨が降っていたからハリーに会える、、、


初秋だったため濡れて震える私にせっけんの香りのするタオルを差し出してくれる

奥様が大変大変うらやましかった。


主婦になったら雨が降っているから本を読んだり

晴れたから布団干したり

って優雅な生活がおくれるんだあ、、、、だあ、、、だあ、、(←妄想)


それ以来、『将来の目標;主婦』と心の履歴書に刻んだ私。

人の意思なんて快へ快へと向かうものである。


で。


今夜は長い冬の始まりを告げる雪が降りましたので。

ワインを片手に夫バニーと駄犬2匹と暖炉の前で

うたたねをしたのでありまする。


正しい主婦の初雪の夜の過ごし方である。


の一日。