事業承継に必要なたった二つのこと | 歌う税金教室  税理士冨永英里のオフィシャルブログ

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こんにちは!税理士の冨永英里です。

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以前このブログで「決算書を作らない税理士」


という記事を掲載させていただきました。

これは、経営者と顧問税理士との関係でしたが、

これを事業承継に応用した実例をご紹介したいと思います。

わたしが独立前、会計事務所で修行していた頃でした。

その会社は典型的な家族経営の会社でした。

ご主人が社長、

奥様が経理担当、

そして一人息子が

後継者として

会社に入って数年経っていた頃でした。


わたしは月に何度か会社にお邪魔し、

経理担当だった奥様と頻繁に話をしていました。

日々の経理や税金の計算などを終えると

決まっての話題は、

一人息子への事業承継のこと。

当時息子さんは、

主に取引先の接待担当をしていました。

(まあ、要するに飲み食いの相手ってことですね・・・)


そのため

現金や小切手、手形の管理、

領収書整理や請求書の発行など

お金に関係するものは

すべて奥様主導で

やっていたのです。

彼女の口からは

きまって、

息子が頼りない、

息子が頼りないとの

嘆きの言葉でした。


「冨永さん、

どうしたら息子が

しっかりするんでしょうね~、

もうわたしは

心配で心配で

帳簿を息子に預けられないんですよ」


そのときわたしはふと思ったのです。

頼りないから帳簿を預けられない?

いや、帳簿を預けないから

息子が本気でお金の心配をしない

だから頼りないまんまではないの?

と。

帳簿を預ければ

会社のお金の流れが

わかるようになる。

そうすれば、

自分も経営者のひとりとして

本気で会社のお金のこと、経営のことを考えるようになるだろう。



まるで、

にわとりと



どっちが先かの

水掛け論のようにも聞こえますが(笑)、

いずれにしても

奥さんがこのまま帳簿を管理していてはいけない!

そう思いました。

といっても、

最初から何もかもやらせては本人も不安です。

それに失敗したら会社の信用にもかかわります。

なので・・・

私は次のように提案しました。


最初は、

小口現金の管理から

少しずつ息子に

権限を譲渡して

やらせてみたらどうかと提案しました。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

奥さんも最初は自分が今まで

思い通りにやってきた

お金の計算を

一部とは言え

息子に譲るのは

悔しい様子でした。

が、息子のため

会社のためということで、

覚悟をきめたようです。

その後、請求書の発行や

資金繰表の作成など

徐々に2人体制で

会社の経理部門を

やっていくことになりました。

肩書きも、

いきなり社長ではなく、

お父さまとともに代表取締役に就任し、

その後、名実ともに

ひとりで代表取締役に就任していきました。

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ここからいえることです。


事業承継に必要なことは


相手に対する「厳しさ」


そして


自分自身の権限を譲る「覚悟」



です。


この二つのファクターが事業承継を

成功させる秘訣であると

私は思います。


以上、最後までお読みいただきありがとうございました!



冨永英里