窓の月 | 羊毛フェルトで紡ぐ不思議へんてこなものがたり♠︎アトリエ.バニラ

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バニラのつくる、
不思議とヘンテコな世界。
羊毛フェルトや刺繍。
アンティークな素材でつくる、猫や動物、いろんなもの。
其々に
ひとつひとつの、
ものがたり。



「苦手」の続きを書こうかなー、と
ぼんやり思っていたのだけれど。

予定変更。
(こういうことは多々あります)





うちの居間には
小さな吹き抜けがあって。

そこには東と南に
少し大きめの四角い窓がある。



そこから月がみえるので
たまにそこから月見をするのだ。

といってもただ。
窓を見上げるだけなので
大した話ではない。




昨日と一昨日は、月がやたらと
ぴかぴかとして。

母が夜に、メールなど寄越したので
何事かな?と思ったら
月のハナシだった。


父と一緒に月を見ていたそうで

あんまり光っていたから
ワタシたちにも教えてやりたいと
思ったらしく。


そういえばブロ友さんにも
「フラワームーン」だと
教えて貰ったなー、と思い出して
見上げてみた。

うちにはステキなカメラがないので
こんな時には「あーあ」と思う。



そんな感じで、よい気分で眠った。





この頃、ワタシは鬱々としている。



突如現る、無気力具合ときたら
「こうしてワタシは太りました」
という、生活の見本のようだ。

今は、少し浮上したり
底の方でじっとしていたりする。




陰鬱なのはアラフォーなどという
通り道の
ホルモンのせいでもあるだろうが。


ワタシは免疫系の抗体値が
通常の人の30倍近くと、
異常に高い為、

膠原病というものにならぬように
見守りをされており。



それでなのかな…と思うほど
色んな不調があるのだが
もう長い間こんな自分と付き合っている。

ついでに言えば
過敏性腸症候群でもある。


前に同じようなブロ友さんが居て。
何かの折に教えてくれた時、

(ワタシもなんだー)と、

たったそれだけなんだけれど
ひとつ
自分の重しが減った気がした。




昨年から、カラダの変わるスピードが
加速していって。
余りに調子が悪いと

プレ更年期なんだか
どっちなんだかわからなくなって
心配や不安が頭の隅っこに
居座るので、ココロが忙しい。


普段のワタシは「その時に考える」
ことにしている。



なのに最近はユラユラ、ユラユラと。
クラゲのようなワタシだ。



鬱々ばかりなので、猫をはさんでみる。








シュジンの精神は大体において
安定型なので
「大丈夫って言って」などと
よくわからないお願いをすることも
しばしばある。

この一連のやり取りをする度に

(「愛しているといってくれ」という
ドラマがあったなー…)
などと、ボンヤリ思い出す。


もう儀式のようなものなので
「大丈夫!」とシュジンが言ってくれて
儀式は終わりだ。


長年繰り返されている、
不毛とも思える儀式だが
医学的根拠など、勿論ない。

ないのだが、この短い儀式的な会話で
不安に固執し過ぎないように
「安定」を保っているのだ。







血液検査のたびに「やだなー」と思う。
これはなかなか、変わらない。





きっと他の方も多かれ少なかれ、
そんな自分を背中に抱えながら
生きているんじゃないだろうか。




あるブロ友さんの記事で
まだ厚着をしていると読んだ。

ワタシと同じだった。

暑いのに、脱ぐと寒い。

よせばいいのにヒートテックを着ており
また動いたら暑くなっては、着替え。
またフリースを着ている。

首にもやたらと何かを巻いている。

体力が無くなりそうなので
たまに散歩しているが

この出で立ちに
マスクをして、
なるべく直射日光を浴びないように
傘をさしている。
ワタシの生活には注意事項が多く
もう、なんの季節かわからない。



近所の派出所前を通る時、
(ワタシって、不審者だよなー…)
と思いつつ、
余裕ですよー、善良な市民ですから。
とでもいうように

なるべく
悠々と歩くことにしている。
人知れず、よくわからない事をしているのだ。


その記事では
「季節感のない服装の人は
変な人が多い」説
というものがのっており、

なるほどなー、一理ある。
などと、うなずきながら読んだ。



シュジンは長い間ワタシといるので
ワタシがどんな格好だろうと
何も言わない。




寝る時に口呼吸になる、と何かで
いっていたので
口にテープを貼って寝ていても
もう笑ったりしない。

余りにも、喉が痛くなりやすいので
「可愛らしい妻でいたい」
ことよりも
口呼吸テープをとったのだ。






さて、ここらで
初めのころの
「綺麗な月」の話に戻そう。


今日また、母が電話をしてきた。

電話口で既に半笑いになっていたので
何事か尋ねたら
昨日の「月」の話だという。


まるで
家にライトが当たっているかの如く
明るかったので

玄関先で父と見ていたらしい。

そのうち母だけ玄関に腰掛けて

父だけが外階段(石段)に降りて、
歩道と
うちの階段のギリギリの所に
立って見ていた。


暗闇の外階段に
仁王立ちして月を眺める父。

そこへ20代位の男性が
たまたま
夜の散歩で通りがかり
誰も居ないはずの
暗闇に黙って佇む父を見て、仰天した。

「うわぁ!!」と叫んで
ひっくり返るかと思ったらしい。


父も驚き慌てて、
悪いと思い詫びたという。


「悪いことをした。せめて近づいて
来る前に、声でも掛けたらよかったか…」

と、母に言ったらしいが

どちらにしても驚くことは避けられまい。


通りすがりの暗闇の庭から
突如
「こんばんは」などと言われるのだ。

どちらにしても怖いだろう。



彼とは笑って別れたそうなので
怪我などなくてよかった。


あんなに綺麗な月なのに。

こんな話になってしまうところが
我が家なのである。


ワタシはというと、
綺麗な月をみて、良い気持ちで眠ったが。


一昨日はなんだか蒸し暑く
途中
シュジンが文句を言いながら
窓を大きく開けて
自分はそのまま寝てしまった。

ワタシはというと
「やたらと眩しい」という夢をみて
うつつに目覚めると

月のひかりが直撃していた。





“あんなに遠くの衛星に
あんなチカラがあるんだー“…と

レモン汁が目に入ったような顔で

ボンヤリと思った。


やっぱり、きれいだと思った。






今日はそんな「月」のおはなし。


では。