駅までの通勤路の途中に、
人一人がやっと通れる道が延々続くところがあります。

そこで、小学生の通学隊列にはさまれてしまったのです。

いえ、隊列は見えていたのですが、深くは考えていませんでした。
僕の後ろを歩いていたサラリーマン風の数人は、
隊列を見つけるやいなや、走り出し、
「人一人がやっと通れる道」に差し掛かる前に、
全速力で隊列を追い抜いていったのです。
隊列に巻き込まれないようにしたわけですね。

実は、僕は、この時間帯に通勤するのは初めてで、
当然、この隊列の往なし方も知らなかったわけです。

あれよあれよ、と隊列に巻き込まれ、
前に30人、後ろに10人ぐらいの小学生にはさまれて、
先生だかPTAだかの方に誘導されながら、
なんともバツの悪い様子で、およそ10分。
スーツ姿の僕は、小学生に混じって通勤路を歩きました。
後ろを振り返ると、隊列の後ろにも、
追い抜ききれなかったサラリーマンが数名、
とぼとぼと、小学生のペースで歩いていました。

でも、まだ、いいですよ。僕なんか、隊列の中にいるんですからね。

ようやく、その「人一人がやっと通れる道」が終わり、
大きい道に合流したら、ありゃ、びっくり。

僕らの隊列が小隊だとすると、
大部隊が、それも3部隊ぐらいが
歩いているではありませんか。

僕らの小隊は、その大部隊の一つと合流し、
道が分かれるまで、僕は、その大部隊の一人として、
黙々と行進を続けました。

それを知ってたら、あの若いサラリーマンのように、
僕も、全速力で追い抜いたのになぁ。。。