息子は、寝起きがいい方だった。
笑いながら起きてくるような子だった。

だが、最近は違うみたい。

泣いて、目を覚ます。

それどころか、夜中、理由なく号泣するときがある。


僕も、ほのかに覚えているが、

息子の歳ぐらいには、「生存の恐怖」のような、
得体のしれない不安感に囚われる時があるものだ。

無限に続くとも思える明日への希望とは裏腹の不安と恐怖、
とでも言ったらいいのだろうか。

そして、泣く。

母に抱かれて、やっと収まる。

(そして、悔しいことに、こればっかりは父ではダメなのだ)

だが、それで、いい。
今、自分のことを振り返っても、
確かに、それは精神の成長の現れだった。

息子よ、

すくすくと、泣きたまえ