バッハと同世代のフランスの大作曲家ラモー
彼の代表作のひとつ「めんどり」
これは、実は立会い出産の曲なんです。

というのが、僕の説です。

最初に先生から、この曲をいただいた時に、
「あれ?めんどりって鳴いたっけ?」
というお間抜けなことを思ったのです。

で、調べてみると、もちろんめんどりも鳴きます。
あるサイトには、こう書いてありました。
「雌鳥は、卵を産んだ喜びを、ひと際高く鳴くことで表現する」
こうも書いてあります。
「雄鶏は、その鳴き声を聞いて、そうかそうかよくやった、と喜んで鳴き交わす」

そうやって、この曲を見てみると、まさにそういう箇所がでてきます。

二回出てくるカデンツァのあたり。
右手がひときわ高く「生まれたよ~」と鳴くと
左手がすぐに「そうかそうかよくやった」と追随してきます。
さらにすぐに、右手から左手に渡される下りのアルペジオで
まるで卵が転がり落ちるかのような様が、表現されています。

右手が雌、左手が雄。
常に寄り添い、いたわりあって、
卵が生まれてくる。

まさに立会い出産です。

そうやって弾くと、涙が出るほど優しい夫婦の物語になっています。

僕達夫婦も立会い出産をしました。
丁度3年前、その立会い出産で産まれた息子と妻を観客席に迎えて
彼の誕生日に、僕はこの曲をステージで弾きました。

実は、このステージには、すごい顛末があるのですが、
そのことは、いずれまた。