(社内配信メルマガに寄稿、一部を変えて再掲)




WEBは、さまざまに形を変えていきます。メディアであったり、コンテンツであったり、集客装置でもあり、また社会そのものでもあります。生活者や得意先とサクセス・シェアリングするために、私たち広告会社はWEBで何を志し、何をするべきか。 この根源的な問いかけの答えを探すにあたり、様々なWEBサービスのTAGラインやスローガンをヒントにしてみたいと思いました。





Google 「世界中のすべての情報を整理し尽くす」





Googleのスローガンとしては、“Don’t be evil.”も知られていますが、もっと有名なのが、こちらでしょう。これは「企業使命」として公表されているもので、原文は、"to organize the world's information and make it universally accessible and useful"になります。たんたんと情報を使いやすく整理するだけで、あれだけの集客力と情報価値を産み出しているのです。





Twitter 「地球の鼓動を伝えるプラットフォームになる」





Twitter社の秘密内部文書として知られている文言です。原文は、こうです。「10億のユーザーがいれば、Twitterは地球の鼓動そのものになる。新しい情報の速報システムというより、 むしろ複雑にネットワークされた神経系になりたい」 私たちに置き換えると、神経系としての広告というメタファー。広告の違う未来が見えてきます。 ちなみにTwitterのメッセージ記入欄の文言が、最近“What are you doing?”から“What’s happening?”に変更されて話題になりました。「いまどうしてる?」から「いま何が起きている?」に変わったわけで、個人のつぶやきにとどまらない幅広い情報のプラットフォームになったことをTwitterが正式に宣言したものとして捉えられています。





YouTube “Broadcast yourself.”





これは、コピーライターの一人として、大好きなスローガンのひとつです。「自分自身を放送する」という、ある種の「夢」を簡潔に宣言したものです。最近、運営者がブログで、「YouTubeは、インターネットと情報における民主的な力のメタファーになっている」と宣言しています。確かに私たちにとっては、映像によって伝えられる真実の大きさを、再認識させられたWEBサービスのひとつでした。 「映像によって伝えられる真実」の大きさということで言うと、「生」の強さで殴りこんできたUstreamを忘れるわけにはいきません。





Ustream “you’re on.”





まさにYouTubeに対抗するかのように、高らかに宣言しています。「Ustreamは今までインターネットを支配してきた、あらかじめ録画された変化のないビデオでは成し得なかった、ブロードキャスターにも視聴者にも新しい可能性と経験の広がりを提供します。現在、ユーザーはあらゆるものをUstreamしています。」私たちにとっても目が離せないWEBサービスになってきていると思います。





Facebook “to give people the power to share and make the world more open and connected.”





世界最大のSNSサイトは、自社の使命をこのように述べています。「私たちの使命は世界をオープンにし、みんながつながることができる力を人々に与えること」これは、メディアの本質的な使命であり、そこを堂々と宣言できるところが「今の」インターネットのプレイヤーの自負だと思います。





Yahoo!JAPAN 「何をするにも、いつもそこにYahoo! JAPAN」





Yahoo!JAPANのスローガンです。あきらかにGoogleとは別の道を行き始めたYahoo!は、私には、もうひとつの「お茶の間」をつくろうとしているように見えます。「ライフ・エンジン」を標榜する同社は、宣言文の中でYahoo!を「のんびりとながめてみたり」という使用シーンを描いています。これは、なかなかに新しいと思うのですが、いかがでしょうか。





mixi 「社会に貢献する仕事をし、ゼロから新しい価値を創造していく」





ちょっとトンマナの違う硬いスローガンですが、凄いことを言っています。紹介します。「インターネットという今まで存在しなかった産業分野において、新しい価値をゼロから生み出し、育ててきたという自負を持ち、同時にこのような価値創造こそ、私たちが存在する理由です。コンピュータの世界でいうUNIXの出現等、あのサービスや技術によって時代が変わったと思われるそんな「新しい価値」を世の中に提供し続けていきます。」
次にレイヤーの違うWEBサービスですが、Evernoteを紹介します。





Evernote 「すべてを記憶する」





これは、実用的で、かつ人気のWEBサービスです。まさに「すべてを記憶する」ツールなので、ぜひ使ってみてください。文字どおり「使える広告」です。





以上、ざっと今人気のWEBサービスのスローガンを俯瞰してきましたが、これらの言葉には「何を志して」「何をしてきたか」が凝縮していると思います。 そこには、今私たちがWEB上で、「何を志して」「何をなすべきか」、得意先と生活者に「何を提供するべきか」という問いのヒントが満ち満ちていると思います。





それにしても、イケてる会社のスローガンは、かっこいいなぁ。