バッハの作品の中で、


まさに「音楽の回文」と言えるものがあります。


それは「音楽の捧げ物より逆行カノン」という曲。





楽曲の始めから演奏すると、有名な主題のメロディーが聞こえ、


楽曲の終わりから演奏すると、また別の美しいメロディーが浮かび上がる。





「回文」ではなく「たいこめ」ではないか、と言う方もいるかもしれません。


しかし、この二つのメロディーを同時に演奏すると、


それはそれは典雅なカノンになっている。





通常、二度繰り返されて演奏されますので、


やはり回文と呼ぶ方がふさわしいと、私は思います。








楽譜の読める方は、


始めからと、終わりからと、たどってみてください。


楽譜の下部、解決譜と書いてあるのは、


「始めから」と「終わりから」を二段譜にしてアンサンブルしやすく


書き直したものです。





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一説によると、バッハはこれを、フリードリッヒ大王のために即興で書いたといいます。





そう言えば、わがボスも、よく即興で回文をつくっていました。
ボスの上司のために、「禿げ頭に、またアゲハ」という典雅なカノンを奏でたりして。