散歩をしてると、甘く穏やかな香りが
アチコチで、している…

『金木犀~キンモクセイ』
私は、この金木犀の香りを嗅ぐ度に、
昔に、かえってしまう…
そう、小学生の私に…
実家(今は、もう無い)から、私が通う
小学校まで、距離があった
住宅地の間を、通り抜け、通り抜け…
時には、決まった裏道なんかをトコトコ
昔の家は『垣根』代わりに植栽が多くて
植木も大きくて、和風の家ばかりだった
そういえば…ビワ、ざくろ、みかん、柿
様々な果実の木があったよなぁ…
それらは熟すと、砂利道に落ちていて…
上を見上げると、未だ青い実が、
私の頭の上の空に、浮かんでる様だった
垣根の金木犀は、けっこう、あった
この木は、木の目の前に行かなくても
数メートル前から、香りが漂うんだ…
そして、通り過ぎても、その甘い香りは
未だ、消えない…。私を忘れないで、と
まるで、別れを惜しむかの様に漂う
最近では、果実の木を、見かけない…
でも…金木犀は、数は少ないけど、
所々で、見かける。レオンの散歩の度に
懐かしくて、切ない感じに浸ってしまう
もう…無くなった…私の帰れる場所…
でも、私の心の中の、金木犀は…
数十年が経った今も、香り続けている
散歩しながら、急に、瞼が熱くなり
小走りに、足を早めてしまった…
レオンは、何も言わず、歩調を合わせる
『ありがとう。レオン』
思わず、呟いたけど、聞こえないよなぁ
2人だけの秘密だよ…内緒…ね(微笑)
『ありがとう。レオン…』