9月15日
第二の故郷と私が言っている黒島は、
沖縄県八重山諸島のハートの形をした小さい島。
人口220人、そして牛が3000頭。
私は今まで、仕事で日本の色んな所に行ったし
色んな人に触れ合ってきた。確かにそれぞれその地で
素晴らしい出来事はある。だけど、どこに行くときも
「仕事」という意識を持っていく。
けれど、黒島にはやられた・・。
本当に真の心が動かされ、真の涙を教えてくれ、帰りたくない気持ちにさせられたのは、黒島が初めてだった。
もう一度あの場所へ行きたい、仕事じゃなくプライベートで・・って。
行ったのは、去年の夏。22歳の夏。
黒島に行って私は変わった。
今まで都会での生活を普通だと考えていた。
美容院やお化粧、都心に出かけては 好きなカワイイ洋服を買って、
カラオケ、ボーリングで遊んだりして。
都会にいると、自分を着飾るのにみんな一生懸命・・。
男の人は格好つける、女の人は自分を創ってまでカワイク見せる。
雨が降ってヘアスタイルが崩れるだけで 生きていけないくらい
落ち込んだり、雨に腹を立てたり・・。
・・・そんな生活が普通で むしろ「なんかいい事ない?」って口にする都会の人々。
私もその中の一人でした。
自分では気付かないけれど、考えてみたら
私も 人を信じれない気持ちだったり、素直に笑えなかったり、汚れている世界や環境に、少し汚染されていってしまっていたと思う。
人間の目や意見ばっかり気にして・・。
黒島は、そんな今までの自分がバカらしく思えてくる場所。
人っていうのは、「生きている」だけで価値があるって気付かされる。
自分を着飾って、よく見せるのは、「おまけ」にすぎないという事。
人間の生活の必要最低限が、これだけでも生きれるんだ。っていうのを黒島は教えてくれた。
毎日 牛の世話をして、南国の太陽でみんな真っ黒、CDショップも無いから常にラジオをかけて、牛の世話にオシャレをする必要も無い。髪を染める必要も無い!
たまに、目の前にある海でダイビングをして、
造り物じゃない、自然のモノで思い切り遊ぶ。
緑と牛しかいない場所から、毎日笑い声が飛んでいる。
歌がうたいたきゃ、三線を弾いて太鼓たたいて大声で歌えばいい。
踊りたきゃ、島(泡盛)を呑んで思いっきり踊ればいい。
本当になにもない島。
なにもない島を「最高の島」って胸張って言っている。
そんな黒島んちゅ達に、胸を打たれた。
めちゃめちゃカッコイイやん!!て思った。
黒島に行ってから、大きく変われた。
人間のキレイな「無色の心」を思い出せた。
都会にいても、「無色の心」を持っている人はスグ分かるようになった。
本当の沖縄は人との触れ合いの中にある。
有名な観光地じゃなく、離島のなにもない場所から生まれる涙。
22歳で沖縄の本当の良さを知るのは早過ぎる・・と言われるけれど、
「22歳で沖縄の本当の良さを分かれる程、今まで色んな経験を
してきたんだ。」と 島んちゅは言ってくれたね。
東京に帰りたくなかった。ずっと泣いている私を見て
「もう泣くな!東京っていう場所まで 少し長い旅行してきたらいいさ。
・・・・・いってらしゃい。」と言ってくれた。
フェリーが動き出すと、港まで見送りに来てくれた島のみんなは、海に飛び込んで見送ってくれる。
私が今生活をするべき所は東京だから、この場所で生きていく。
楽しい事もあるし、嬉しい事もあるし、都会の良さも確かにある。
・・・けれど、
やっぱり「都会の生活」というものは
忙しいし、知らず知らず疲れるものなんです。
大切なモノ、見失いかけたり
本当に疲れたら
黒島へ行こう。・・・いや、
黒島へ帰ろう。
島んちゅは、こう言ってくれるから。
「おかえりなさい」。
Erino