~チャンミンside~
「平日だけどさ、・・俺んちに泊まりに来いよ。」
荷物をまとめて、戻らないシウォンさんを待たずに更衣室へ行こうとしたら、僕を探していたらしいキュヒョンに誘われた。
いつもよりテンションの低いキュヒョンに何があったのか聞きたかったけど、今ここで話す話題でもないし。
────あ~、うん、分かった。とだけこたえる。
「夕飯もうちで食えよ?家には電話したからさ。」
何度も泊まってるキュヒョンちだけど、平日なのに迷惑じゃないだろうかと少し躊躇してたら、
「ばか、遠慮するな。」そう言って拳を肩先まであげた。
────コツンと、
自然に合わさる拳。
気持ちが沈んでいたから、そんな親友の心遣いが嬉しい。
キュヒョンちはとてもアットホームで、突然の大食らいの来訪をいつも快く迎えてくれる。
楽しい夕食のあとは早めに風呂を借りて、さあ、・・とゲームの準備も万端。
今日はゲームに没頭して普段のもやもやを出来るだけ忘れたかったのに。
「あのさぁ、・・やっぱおまえにも話しておいた方がいいと思うんだけど。」
そう言って切り出された話に、僕はまたズンと胸が重くなる。
シウォニヒョンが?
ユノヒョンにそんなことを。
「確かに間違いじゃないけどさ、ユノヒョンだってそんなにいい加減な人じゃないんだよ。本人はバスケや男同士でつるむ方が楽しいのに周りが放っておかない、っつうか。」
「あんまりモテすぎる、ってのも罪だよなぁ。」
しみじみ言うけど、・・そうだよね、現に僕だって。
「キュヒョン、・・実は、僕も。」
「いいよ、・・分かってる。」
キュヒョン?
その声色は責めるでもなく、軽蔑するでもなく、ただ優しかった。
「だから俺、ユノヒョンとはつき合いが長いんだって。・・嫌でもわかるよ。あの人のちょっとした態度の違いや、つい追っちゃってる視線の先とか。」
「すげぇ優しい目で見るんだもんよ。・・・おまえのこと。」
キュヒョン。
だから、・・やめて。
今そんなこと言われたら、本当に泣けてくる。
今日、シウォニヒョンからおにぎりを奪って食べちゃったこと、実は嬉しかったって、・・・醜い気持ちが顔をだす。
「僕はどうしたら・・いい?どこまで許されるかな?」
ずっと考えていたこと。
───想うだけなら許される?
シウォニヒョンのように。
僕が嫌な思いをせず、自然にユノヒョンから遠ざかるよう気を回してくれたのは。
────すべてソヨンさんの為。
好きな人の為に、その人の幸せを願う事が、・・僕には出来るのだろうか?
「あの人のこと考えたら、・・もう関わらないのが一番なんだろうけど。」
それが僕に出来るか、ってことが一番の問題で。
はぁ、と軽くため息をついた僕に被せてさらに盛大にため息をついたキュヒョン。
「おまえ、・・分かってないね。」
そう言っておもむろにスマホを手に取った。
何も言わずタップして、静かな部屋にその呼び出し音が響く。
「あ、・・ユノヒョン?」
え?///
「今夜チャンミナがうちへ泊まってるんですよ。俺ら、これから公園前のコンビニ行くんで。それだけです、じゃ。」
一気に喋って相手がひとことも話すことなくその通話は切られた。
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いつもありがとうございます♪
なんだかもやもやしてて、イラッ!としますね~(>.<)
ほろ苦い青春(・_・、)
momokoさんの《cheering4》コメント欄よりぜひ!
お仕事出来る設定!大好きですっ(//∇//)