AI wo Motto Ⅱ(39) | えりんぎのブログ





~チャンミンside~


















───────早く来すぎた。



夕暮れ時、いつ帰るか分からないユノを待つには寒すぎるのに、合い鍵は返してしまったし。



エントランスは住人に紛れて何とか通れた。



どこかで時間を潰そうか、
それともユノに電話してみようか、



─────ううん、待ちたい。



預かった封筒をぎゅうっ、と抱きしめる。


これがどれだけの価値と重みがあるのか、分からないほど馬鹿じゃない。



─────すべて放棄して僕と?



呆れるほど馬鹿だな、・・ユノ。
愛しいより悔しいよ。
これじゃあ僕の想いがひどく薄っぺらなものに感じるじゃないか。



だから、───待とう。
ユノが僕を想って行動にうつしてくれた分だけ、僕はあなたを想って待ちたいんだ。







「・・ぉぃ!!・・・チャンミンッ!!・・コラッ!!」



遠くから微かに聞こえる、・・ユノの声?



ぺしぺしっ、



痛ったぁ、・・・、なんだよ?誰?




ぐいっ、と無理やり腕を取られ引き上げられた。



ぱっ、と視界がひらけて。



────あ、あれ?僕、寝てた?



言いたいのに、ガチガチ震えて歯が噛み合わない。


冷え切った身体はまるで感覚がなくて、立たされたままガクッと膝がおれる。




「おまえっ!!こんな所で何やってんだよっ!!」



「冷えきってんじゃねぇか!!」



抱きかかえられた耳元でギャンギャンと怒ってるユノ。


今はちょっと身体の自由がきかなくて、・・・顔が見れないよ?ユノ。




そのままリビングまで引きずられ、山のような毛布にくるまれた。


「風呂ためてるから、ちょっと待って。」


頭からすっぽり毛布を被って小さく丸まれば、なんだか蓑虫のような僕。



────ばかユノ、自分だけ格好つけんなっ!!


って、言ってやろうと思ってたのに。



凍えて喋れないとは、・・恥ずかしくてしばらくユノの顔は見たくない。



「ほら?これ、飲みな?」



頭の上の方で何やら渡そうとしてる?

・・・でも、ごめん、まだ顔見たくないんだってば。




「おいっ、顔出せよ?チャンミン?」


ぐいぐい引っ張って毛布を剥がそうとするから、自然に僕も毛布を持つ手に力が入る。



「おい、って!!」


「わ、・・!!」



ああ、・・やっぱりユノの馬鹿力には適わなかった。



スポッと首から上だけ毛布から突きだして。


─────は、恥ずかしくないか///?この格好、・・////。




カァ、・・と音が聞こえるんじゃないか、って程、急速に熱くなる頬。



久しぶりに会うのに静電気だらけのボサボサ頭。



「やまんば、みてぇ。」



「/////////、・・見るなっ、ばか!!」



ボスッ、


ユノが手を離した隙にまた毛布に潜りこむ。


今度こそ両手でガードしてしばらくこもるからな。



「なぁ、チャンミン。」

ポンポンと毛布越しに。


「うるさい、ちょっと放っておいて。」




はぁ、・・とため息が聞こえて、今度は毛布越しに背中を撫ではじめた。



「おまえさ、・・何しにきたの?」


「こんな寒いのに外で震えてさ。どうして電話しない?俺が帰るの遅いって分かってるだろ?・・いつからいた?」


矢継ぎ早におちてくる質問。


「あ~~~っ!!!もう、うるさいっ!!////」


ボサボサだろうと、やまんばだろうと、構わない。


これだけは言わなきゃ。


ガバッと毛布を捲ったら、あまりのユノの近さにちょっとビビったけど。



「・・大ばかで、格好つけで、むこうみずで、・・・自分勝手なユノに、」



初めて重なった視線。



「───────会いたかっただけ。」



こんなにも強く、────。