芥川賞受賞作の『ハンチバック』を読んでみました。
電子図書館についてのセミナーや、
アクセシブルブックの講演会でも紹介されていたので
興味が湧いて、図書館で借りてみました。
読書バリアフリー法の整備が進まない事に対する批判が
込められた作品、というイメージで読み始めたのだけれど。
・・・なかなか、強烈なインパクトで。
冒頭から、かなりグロい(と私は感じた)性描写で
「え。私、コレ、読めるやろか💦」
と。
(ずっとではなかった。)
割とページ数が少なかったので、結局サクッと読めました。
視覚障害やディスレクシアではない障害で、
紙の本を読む事が困難な人もいる、
そういう一部の層を無視している傲慢な読書文化に対する
色々な感情(熱望や嫉妬、怒りなど)が生々しく
描かれていると感じた。
読書バリアフリーに興味があり、それを進めていきたいと
思っている立場で読むと、当事者の声を知ることができて
勉強になるというか、色々考えさせられるなぁと思った。
で。
ラストの意味がよく分からなかったので、夫に
「読んでみて。で、ラストどう解釈したか教えて」
と言って渡してみたら、夫はかなりの酷評。
好みが分かれそうな作品だとは思うけど、
うちら夫婦の反応の違いは
「読書バリアフリーに関心があるかどうか」
ということが大きいのかなぁ、と思った。
文学的な価値とかは、私にはよく分からないのだけど。
とりあえず、読後、色々考え込むだけの強烈な印象があった。
たまには、児童書以外を読むのもいいな。