日本アニメの存在を意識してからというもの、日本語から英語への吹き替えるが、僕にとって特別な興味の対象となっています。台詞、独特な表現、固有な語彙や言い方をどうやって英語に訳すのかと考えながら、口の動きにも注意しなければなりません。書物を訳す時と違って、アニメなどの作品は翻訳の自由が限られている訳です。そんな条件のもとで出来上がった翻訳がとても興味深い。だから、あるアニメの日本語版と英語の吹き替え版の比較をしようと思いました。
自分はワンピースの大ファンなので、ワンピースからの例を取り上げる事にしました。
例は『Davy Back Fight』という球技競争からのシーンです。主人公の麦わら海賊団がフォクシー海賊団と対決する球技で、チームはそれぞれの「ボールマン」を決める事になるけれど、この試合に麦わらの一味を代表して参加するサンジ(コック)とゾロ(剣士)という人物がじゃんけんで誰が『ボールマン』になるか決めようとします。しかし、結局はどちらがボールマンになるのか、じゃんけんの言い争いに終わってしまいます。この光景をウソップとナミという仲間が呆れたように観察しています。
参照:
日本語版:http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=c4Njlg4uQnI
吹き替え版:http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=GKjNdiVQ7SQ (0:58から)
次に、日本語版の台詞を書き写していきます。その真下に英語版の台詞を添え、またその下にある括弧の中に英語版をより文字通りに訳したものを入れます。
サンジ:ってかこら、今遅出ししたじゃねえか!
Sanji: I saw that, cheater! You went too early on that last one!
(見たぞ、この詐欺師めが!さっきのは遅出しした!)
ゾロ:てめえ、俺の勝ちぜ!全てによ
Zoro: Shut up! You’re just mad ‘cause (注意) you lost. Like you always do.
(うるせっ!負けたから怒ってるだけじゃねかよ。いつものことさ)
サンジ:何いってんだ、どさくさに紛れて。じゃんけんの話だろう!
Sanji: What? I always lose, huh? We’ll just see about that. Let’s do best three outta (注意) five.
(何?俺がいつも負けてるだと?それは今に分かるだろ。五番勝負にするんだ!)
ゾロ:だから負けただろ!
Zoro: You’d just lose again.
(お前がまた負けるだけだろ)
向こうのチームの一員:いいからお前ら早く決めろ!ボールマン
Opposing team-member: So is the chef your ballman or what? Hurry up!
(コックがお前らのボールマンになるんだろ?早くしろよ!)
ナミ:まだそれも決まってないの?サンジ君、そのボール、似合うわよ!
Nami: Is that what those idiots are arguing about? Sanji, that hat looks great on you!
(あの馬鹿たちはそんなことでけんかしてるの?サンジ、その帽子、似合うわよ!)
サンジ:やるぞ、ボールマン!俺にこそ相応しい!
Sanji: Alright! Let’s rock! Ballman’s here to kick some ass (注意)!
(よっしゃ!やろうじゃないか!ボールマンがやっつけにやって来たぞ!)
ゾロ:ホントによく似合う。王子様のようだぜ。。。あほう王国の
Zoro: Gotta (注意) admit it, it does suit you. You look like a real prince … from the kingdom of lame-asses.
(どっちかというと、やっぱそのボールがお前に似合うんだな。ホントの王子様のようだぜ。。。あほう王国の)
ウソップ:試合を始めろぉ~!!
Usopp: You’re wasting time! Start the match!
(時間を粗末にしてるぞ!試合を始めろ!)
審判:(ゾロに向かって)おいおい、武器は反則だぞ!刀を外せ!
Referee (to Zoro): Hey, hold it! No weapons on the field, pal! You gotta lose the swords!
(おい、まて!競技場には武器の持ち込みは禁止だぞ!刀を外すんだ)
ゾロ:そうなのか?
Zoro: Huh, those’re the rules?
(何だ、そんなルールがあったのか?)
アナウンサー:そう、これは球技!武器をもっちゃ、ゲームにならないよ!
Announcer: Yep! ‘Cause this is a ballgame! Can’t have you slicing each other up, now can we?
(そう!これは球技だからだよ!競技参加者たちが互いに切り合ってしまったら困るでしょ?)
ゾロ:ま、別にどっちでも構わねえが。
Zoro: Fine! My fists are all I need.
(構わねぇ!俺はこぶしで十分だ)
サンジ:おい、大丈夫か?剣豪が刀を失うってことは。。。
Sanji: You sure you gonna be okay out there? A swordsman without his sword is just … well …
(試合中ホントに大丈夫なのか?刀を持ってない剣士ってことは 。。。ま)
ゾロ:何だ?
Zoro: what?
(何だ?)
サンジ:へなちょこの出来上がりだな
Sanji: A normal guy, only lamer (注意).
(凡人だね。さらにぎこちないがな)
ウソップ:大概にしろ!!!お前ら!!!
Usopp: That wasn’t even a good burn (注意)! Get over it!
(うまい悪口でもなかったじゃないか!いちいち怒るな!)
注意:
’Cause: Because (だから、そのため)のくだけた言い方。口語で使います。
Outta: Out of (xxの中から)のくだけた言い方。口語で使います。
Gotta: Got to (しなきゃいけない)のくだけた言い方。口語で使います。
Lame: 形容詞。もともと足などが不自由ということを意味していましたが、現代では「不十分」、「ぶきっちょな」、「くだらない」、「つまらない」、「ださい」などのような意味で使われる事が多いです。
Burn: ここでは俗語。「うまい/鋭い悪口」、「うまく、鋭く人を侮辱する言葉」などの意味で使います。動詞として使う事もできます。
Kick (some) ass: 俗語。直訳すると、「尻を蹴り飛ばす」。「やっつける」、「たたきのめす」、それから転じて「活躍する」、「思い切りやる」、「勝ってみせる」などの意味。形容詞に使うと、「半端無い」、「強い」、「クール」、「めっちゃくちゃ得意」などなど。冗談半分に使う事もあります。
いかがでしたか。英語版と吹き替え版の内容が細かいところまで全く一緒ではないですが、どう思いますか。吹き替えと字幕、どちらが好きですか。