編集が斬新だと思ったプログラム | Dombyra-dee-dee〜中央アジアの無駄話とスケートとたまに旅行記〜

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中央アジアと日本を行き来しているくだらない日常とフィギュアスケートと旅行記など。カザフスタンの話とデニス・テン君の話が多いです。
コロナ禍以降はもっぱら国内旅行の話。最近は自分でも滑るのでその合宿関連多め。

スケートの音楽ネタ第2弾。

フィギュアスケートで使う音楽は、そのプログラムに合わせて曲を編集するのが大前提ですが、中には音楽の流れを無視してブツ切りにしたり変な繰り返しがあったりと違和感のある編曲もあります。

しかし、たまに原曲と全く違うのに上手い具合に繋げていて、もはや新しい曲として成り立っているような斬新な編曲もあるので、今回はそういう意味で私が衝撃を受けたプログラムを紹介します。あくまで、もちろん、人によってはこんな編曲受け入れられないという方もいるかもしれませんが、あくまで私の感想です。


1.アダム・リッポン  2009-2010シーズンフリープログラム、「ヴァイオリン協奏曲(サミュエル・バーバー作曲)」




前回のブログで紹介したメイヤーのVコンのCDの1曲目がこのバーバーのVコンで、こちらの曲も大好きなのですがこの編集は素晴らしい。1楽章の途中から始まってスローパートで2楽章に入り、また1楽章に戻るんですがその境目に全く違和感がない。ちゃんと前後の調が繋がるところで音を重ねて切り替えてる。ステップに入るところが若干強引ですが、ここも前後の流れを合わせるために原曲より短3度もキーを下げている。

さらにすごいのがラストで、1楽章の中間部〜テーマに戻る前の盛り上がりの部分を繰り返して、最後のジャーンの音はその調の主音に合わせてこの曲から抜き出して伸ばしたのか他の曲から持ってきたのかわからないけど原曲にはない音です。この曲、原曲は最後は静かに終わるんですが元々こういう曲だと錯覚するくらい自然です。これ編集した人すごい。是非原曲と聴き比べてみて欲しいです。


2.宮原知子 2016-2017シーズンフリープログラム「スターウォーズ、惑星」




スターウォーズと惑星という、全く作曲者の異なる「宇宙もの」2曲を繋げてしまったという斬新なプログラム。両方ともよく知られた曲なので切り替えのところは「あ、変わった」感は否めませんが、この編集のすごいところは最後の最後。惑星のラスト1つ手前の音から、そのまま終わるかと思いきやスターウォーズのラストの音に変わるんですが、和音進行が上手く繋がっているのでそういう新しい曲が生まれた、とさえ思ってしまいます。これを編集した人はそれを分かっていて繋げたのか、偶然の産物なのか、気になるところです。

また「惑星」1本のプログラムって、演じるテーマが分かりづらいのでなかなか難しいなと思うのですが、レイア姫を演じながらスターウォーズの一部分扱いで使ったことで曲にストーリー性が出たという点でも、良い使い方だったなと思っています。


3.アリーナ・ザギトワ 2017-2018シーズンエキシビション「Afro Blue」




前回も書きましたが、このインパクト大のプログラム、「Afro Blue」のメインメロディーは一切使ってないんですよね。たぶんイントロのスキャットだけで構成したんでしょうが、曲を曲としてではなくひとつのパーツとして捉えてプログラムのテーマを膨らませていった感じが新鮮です。またそういう発想を生み出すヴォーカルのジャズメイヤの個性が素晴らしいです。


4.横井ゆは菜 2018-2019シーズンショートプログラム 「ライオンキング、エメラルドタイガー」




今シーズンの新鮮編曲はこれですね。これもライオンキングとエメラルドタイガーという、ジャンルが異なるが野生動物系の曲を2曲使ったプログラム。ありそうでなかった組み合わせです。繋げ方はシンプルですが、これも両者の曲がフラットの数が近くて似てる調なので相性が良いです。

こんなところかな。いつかPC使いこなして曲の編集挑戦してみたいです。