デニスの事件について、お母様が語ったことにより前日にまとめた流れがだいぶ上書きされたので、こちらに拙訳を載せます。
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アルマトイの地区専門刑事裁判所では、フィギュアスケート選手デニス・テンの殺害事件についての本裁判が続いている。
公聴会ではオリンピックメダリストの母親、オクサナ・テンが証言した。彼女は、なぜ依頼殺人と見なしているかを説明した。
「私は初めから、これが単なる車上荒らしだとは信じていませんでした。これは母心や直感だけではなく、後に事件について知った時にも示唆されています。慎重かつ丁寧に捜査が行われ、短期間で犯人が捕まったことに関してはその働きに感謝いたします。しかし、この一連を信じるには、デニスのことを単純に良く知らないという前提が必要です。デニスに対して、物質的価値が優先されていません。なぜ私がこの起こったことに同意できないか、それはデニスのリアクションを知っているからです。彼は状況を即座に判断しました。これを行うには、デニスを挑発する必要があります。どうやって?これは被疑者への問いです。」
デニスのママは、どのように殺人が起こったかを法廷で語った。
「2018年6月29日、デニスはマディナ・アマノワによりレストランHedonistのオープニングに招待されました。レストランのディレクターはルスラン・ハイルラエフ、彼の(※おそらく小学校の)同級生でした。経営者としての彼に会ったことにデニスは驚きました。彼らは連絡を取り合ってはおらず、SNSで数回やりとりした程度の仲でした。その出会いの後、ルスランは繰り返しデニスに、ご馳走したいとレストランへ誘いました。7月18日、ハイルラエフはデニスの仕事場にやって来て、19日にレストランで会いたいと提案しました。」
彼女の言葉によると、どうやらデニスは19日に同級生を訪ねると約束したようだ。
「全ての時系列、尋問の結果、ビデオの内容から、私の考えはこれは依頼殺人です。
デニスは非常に多忙で、彼のスケジュールは時間単位で決まっていました。7月19日も例外ではなく、アポイントと練習がありました。21日には出演のためアスタナに行く予定で、22日には私たちはトレーニングのためカナダに渡る予定でした。7月19日には仕事上のアポがありました。15:00に私たちはカザフスタンへのリンクの建設のため、チェコの投資家と会う予定でした。しかし、ハイルラエフは13:45にレストランにランチに来ないかと書いてきました。デニスは彼に、お腹は空いてないけど、40分ほどお茶なら行けると答えました。これを全て13:48に答えています。」
これらのやりとりはWhatsappに記録されている。
「3人の被疑者はシャニラク(※アルマトイ郊外の地区)に集まり、キヤソフ被告の兄の所で暮らしていました。しかし、なぜか彼らは7月18日に中心部に出てきて、一晩だけ部屋を借りています。夜中に彼らはマグナムでナイフを買い、それからデニスがレストランに来ると予想される2時まで部屋にいました。彼らはこれについて、夜にトリバエワの薬を買う必要があったと説明しています。彼らはキヤソフ兄から車を盗みました。」
オクサナ・テンは、彼らが部屋を借り、一晩過ごしたと指摘した。
「14:11、3人はナウルーズバイ・バティラ通りを上がっていました。何故この地区なのかという取り調べに対し、高価な車があるからだと彼らは答えています。しかし、ジェルジンスカヤ通り(ナウルーズバイ・バティラの旧称)沿いを移動していた彼らは、14:14に何故かゴーゴリ通りへと曲がります。14:15、トリバエワに着信があり、彼らはバイトゥルスィノバ通りに向かいます。何故彼らは突然ルートを変えたのか?トリバエワによりクダイベルゲノフが道を指示し、トリバエワには常に電話がかかってきていました。」
デニス・テンは14:18にレストランに着いた。
「3人はクルマンガズィ通りに着き、円を描いてその後すぐに出発しています。ビデオの記録によると、デニスは14:18にレストランに入っており、その10分後に3人が通っています。14:30、彼らは既に現場にいました。尋問中、彼らはトリバエワを使いたくなかったと供述したが、彼女は電話に没頭していたので後ろに追いやられたと供述していました。しかし、ドイツ研究所からの記録によると、この3人は道を活動的に歩き回っており、道を示していました。」
この時クルマンガズィ通りには、オクサナ・テンによると10人の通行人がいたという。
「彼らは再度現場に来たが、すぐには向かわず歩き回っていました。これについて彼らは、人通りがあったのでいなくなってほしいと思っていたと説明しています。私たちは通行人を10人と数えました。これは昼で7月だということを考慮しなければなりません。3人はアビライハナ通りを歩きまわり、トリバエワはバイセイトヴォイ通りに立ちました。数分間待った後、クダイベルゲノフは手袋をはめてミラーに近付き、これを取りキヤソフに渡しました。キヤソフはそれをリュックに入れました。それから彼らは何かを待っていました。彼らの証言によると、2つのミラーを盗む間に10-15分ほどの隙間があります。その間キヤソフは、何をしてたのか知りませんが、ナイフで遊んで、それを地面や木に投げていました。」
14:52、デニスはレストランから出てきて車へ向かう。
「クダイベルゲノフはサイドミラーに向かい、キヤソフは自分の場所へ戻りました。トリバエワが示した通り、彼女の前をデニスが通り越しています。彼はクルマンガズィの縁石沿いを、音楽を聴きながら歩いていました。トリバエワはデニスがレクサスの持ち主だと知り得たのですか?彼はレクサスの持ち主には見えません。デニスは何も疑わず自分の車へと向かいました。彼はサイドミラーを抜き取り手に持つクダイベルゲノフを見ました。その時クダイベルゲノフは何か言いました。これは被告に聞かなければなりません。デニスを挑発し、クダイベルゲノフは逃走を始めました。この時、彼がぶつかった車が通りました。その車の先に、警察車両がありました。」
オクサナ・テンによると、警察官はクダイベルゲノフとキヤソフの後を追ったという。
「逃げる際、クダイベルゲノフはおかしなターンをしました。彼は車の後方に逃げたが、もし逃げたいなら真っ直ぐアビライハナ方面に走るはずです。しかし彼は車の後方を周り、運動場沿いに回り込んで逃げました。彼らの後をキヤソフが追いました。トリバエワは怯えてクルマンガズィ沿いを行ったと証言しました。彼女は何に怯えたのでしょうか?結果を知っていたのでしょうか?何故彼らはフィールド沿いを逃げたのでしょうか?一部始終を見たい誰かがいた場合、見れるその場所に、誰かが立っていたとも考えられます。事を終えた後、クダイベルゲノフとキヤソフは恥ずべきことに逃げました。目撃者がいます。あなたたちはデニスを倒すことが出来ませんでした。彼は意識を失う最後の瞬間まで足で立っていたんです。警察官はキヤソフとクダイベルゲノフを追いました。目撃者がいました。彼は車から出てデニスに駆け寄り、救急車を呼びました。」
オクサナ・テンは、彼らはミラーを必要としていなかったと見なした。
「トリバエワは最初歩いていました。ナザルバエバ通りについたところで元来た道を戻り、全てを見てから車に戻りました。車はありませんでした。彼女は下っているクダイベルゲノフに電話をしまひた。彼女はピックアップされ、ボゲンバイ・バティラ通りに連れていかれました。彼らの目的は車のミラーではありません。彼らは持ってってないのです。第一発見者は、デニスの左に2つのミラーが落ちていたと言いました。彼らにミラーは必要なかったのです。彼らのリュックにきちんと残していたのです。」
彼女の言葉によると、彼らはデニスから何もものを盗んでいないという。
「証言によると、キヤソフはナイフをリュックから出したとされています。これは正しくありません。ナイフはずっとキヤソフの手の中にあったのです。これが窃盗ではないというのは、デニスに傷を負わせたあと、ミラーを回収できる状況だったという事実が証明します。彼はイヤホンをし、背中にはリュックがあり、その中にはパソコンがあり、財布があり、金があり、iPhoneがありました。しかし彼らはそれら全て必要なく、ミッションを遂行する必要があったのです。私がそのような結論を出したのは、物が何一つ奪われなかったからです。ガラスは割られ、キヤソフはナイフを持っていたのに、車のミラーに近づくことすらしていません。窃盗のためにナイフを購入したという供述は、彼らの行動と一致していません。」
オクサナ・テンは、クダイベルゲノフには借金があり、トリバエワは母親に返すべき金があったと証言した。
「依頼人の動機は何か?もちろん、それについて私は考えていました。何がこれを引き起こしたのか?多くのトピックはすぐに否定されます。-金についてです。デニスはこれには全く興味がありませんでした。彼の主な仕事はスポーツです。彼は自分の創作活動に熱中していました。創作的なプロジェクトのプランが多々ありました。では何が原因なのか?もしかしたら、彼の人生のポジションが面白くなかったのか、彼の成功が誰かの邪魔をしている、あるいは喜ばせないか、そのようなことが言えるかもしれません。」
デニスの母親は、トリバエワは現場を見ており、見積もられているより重い判決を下すべきだと考えている。
「彼女は7月19日当日、連れとカプシャガイ(※アルマトイから車で1時間程のリゾート地)へ行き、行きずりで性的関係を持っています。連れはユルタを借りていて、そこでデニスの死を知りました。彼女が新しく仲良くしていた友人たちによると、彼らは彼女が絶望しているように見えなかったそうです。トリバエワは落胆しておらず、嬉しそうだったと。これはこの夜に彼女と一緒にいた者が証言しています。トリバエワの未報告、これは簡単な罰ではありません。彼女は知っていたことを知らせず、証拠隠滅のためにSIMカードを捨てたのです。深刻な罰を与えるべきと主張します。何よりも不快なのは、被疑者たちが自分の罪を感じておらず、誰一人として謝罪もせず、落胆していること、罪を感じていることを誰一人行動に表さないことです。3人の態度はそれを物語ってます。」
証人喚問の休憩中に、デニスをレストランに招待したルスラン・ハイルラエフは記者に、デニスとは頻繁には連絡を取っていなかったと語った。
「衝突は一度もありませんでした。被疑者とは面識はありません。これはおそらく母性本能でしょう。調査された事実によると、これは偶発的な事故です。マディナ・アマトワとは同僚として付き合いがあるが、デニス・テンが来るようには主張しておらず、僕が彼を招待しました。これまでの間に、僕たちはいつ会うか話し合いました。彼はレストランへとても来たがっていました。これは彼の言葉です。僕は彼が全ての料理を味わい、試食できるようランチに誘いたかったのです。彼は質問してきた、何の材料を使っているかについて知りたかったのです。彼は何かのプロジェクトを行なっていて、それに興味を持っていました。彼は僕に良く、温かく接してくれました。とても尊い、誠実な人だと思っています。」
彼は、デニスと会うのははここ10年で2回か3回目だったと明かした。
「食事の後、私たちはテーブルで話し合っていました。そこに何かが起こったと叫びながら掃除婦が来ました。私は下に降りました、私たちは2階にいたのです。最初の考えでは、白昼にナイフを持ってるといえば、もしかして料理人か、と思いました。誰かが刺されたという言葉があったのです。誰も見えませんでした、走り寄って、何が起こったのかを見ました。私がどうやってデニスに何か悪い考えを持つのでしょうか。私はこの10年で彼に会ったのは2~3回です。皆、彼は誠実で優しい人だと言います。そんな優しい人になぜ悪い考えを持つでしょうか?私は彼に敵意を持つほど彼と近しくはありません。私は彼がごはんに誘ってくれたから会いたかっただけです。おもてなしに対応するというのは自然な反応です。この日までに、私たちはパンフィロバ通りで偶然会いました。レストランや他の諸々のについて話して、レストランにおいでよと言いました。私は今、息子を亡くした人間に何もコメントできません。私のママがどう反応するかわかりません、彼女も私を愛していますから。」
トリバエワの弁護人は、どうあっても依頼殺人ではありえないと主張している。
「他の者が関与しているとはどうしても考えられない。依頼殺人というのは理解できない。」トリバエワの弁護人アマンゲリディ・サリエフは「カズインフォルム」ポータルにそう語った。また彼は、被告が「犯罪の未報告」で起訴されるのは間違っていると表明した。「もし彼女がテンが殺される所を見たのであれば、それは正当化されるでしょう。しかしながら、彼女によれば、彼女はそれを報道で知りました。」
「何故彼らは一緒にアパートを借りることにしたのか?クダイベルゲノフはアスタナから来たばかりで部屋を借りていませんでした。またトリバエワはその当時、2日後には仕事に就かないといけなかった。そのため部屋を借りたのです。キヤソフの兄は彼らを追い出したのです。」アマンゲリディ・サリエフはそう述べた。
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固有名詞が多いので土地勘がないと分かりづらいですが、出てきた情報を元に事件発生までの犯人の動きを追うと下のようになります。
「上がる」「下がる」という言われ方をしていますが、アルマトイは南に向かって標高が高くなっていくので、「上がる:南へ行く」「下がる:北へ行く」と一般的に表現されます。
