「ソロモン王と聖なる天使たち」(ドリーン・バーチュー 著 南沢 篤花 訳)
を読んでいます。イスラエルを繁栄に導いたソロモン王と、アラビア半島の南に位置するシバ王国の王女さまのお話です。目に見えるもの、見えないもの、予感、心の動き、しぐさ、白鳥の首のしなやかなカーブや、ドレスの柔らかいきれいな布まで、読んでいると、目の前にそこにあるような気持ちになります。
シバの王女さまが、あることがあって心乱しているとき、ソロモン王がシバの王女さまに寄り添って、紫色のスイレンの花を見ながら言ったのが、
「スイレンは日の光がなくなるとすぐに閉じるのです。人間も同じですね。人も、自分や他の人の内側で輝きを放っている美しい光を忘れてしまうと、しぼんでしまう。そうなると、もうその人の色は見えない。」
シバの王女さまは怒っていて、その言葉にさらに腹を立てたのだけど、素敵な言葉だなぁと思いました。
自分の内側で輝く命と、それからすべての命あるものに思いをめぐらせる静かで穏やかなひとときは、わたしにとってはヨガの時間で、心が喜ぶのがわかります。
わたしなんて、と卑下したり、否定することなく、大切に見守り、取り扱うと、いつの間にか自分で自分を傷つけていたのが分かったり、傷ついていた心が癒えて、ふんわり、心の温度が南の島の心地よい風のような、ちょうどいい温度になる気がします。
