ヨガの知識は今は世界に広く伝えられていて、わたしたちもその恩恵を受けていますが、起源は5000年も前に遡ります。自由、健康、長生き、そして自己の魂への追求、理解のために編み出されました。ヨガの起源を物語る彫像が、インダスの遺跡から見つかっています。
インド伝統医学として知られているアーユルヴェーダとともに、ヨガも、ヴェーダ文献を起源とした知識です。Veda は サンスクリット語でknowledge の意味で、知識を集約した、神聖なテキスト(聖典)で、いちばん古いものは、紀元前1500年ごろに著された「リグ・ヴェーダ」(Rig Veda)です。歌(讃歌)になっていて、神様たちにご加護を祈願したり、幸福や健康、平和、繁栄、成功、英知などを願って歌われてきたそうです。有名なガーヤトリーマントラ(Gayatri Mantra )もRig Veda のなかにあります。
ほかに、「サーマ・ヴェーダ」(Sama Veda)←メロディがついていて、キルタンの基礎となったものと、「ヤジャル・ヴェーダ」(Yajur Veda)←礼拝、崇拝のセレモニー、「アタルヴァ・ヴェーダ」(Atharva Veda)←シンプルな言葉で書かれていて、悪いものや、病気、不運などを追い払うおまじない、が有名なヴェーダです。
これらのヴェーダの中から、生命に関する知識を集めたのが、ウパヴェーダ(副ヴェーダ)で、アーユルヴェーダ、建築、芸術、兵法、などが記されていて、ヨガもそのひとつなので、ヨガは身体、心、精神の科学、知識だということがわかります。

「アーユルヴェーダ入門」 上馬場和夫・西川眞知子 著 地球丸 発行
参照