梅雨のようなボストンの4月もあっという間に過ぎ、もう5月。

 

2021年は、子供の日の五月五日が立夏だそうです。

 

 

 

 

 

 

今月都内で行われる予定だったコンサートの書き下ろしとして

 

『「こいのぼり」と「鯉のぼり」、そして「夏は来ぬ」の3曲をフルート2本とピアノ用にアレンジして3分で』

 

と言うリクエストをいただきました。

 

懐かしい唱歌を対極にある現代音楽に仕上げると言うチャレンジです。

 

残念ながらコンサートは7月に延期となりましたが、音源をYouTubeにアップいたしましたので、ご興味のある方はご試聴ください。

 

 

 

 

 

そして先日。

 

友人のフルーティスト上坂学クンと久々にオンラインでフルート談義。

 

 

 

 

 

その昔、日本の音大ではフルートを専攻しましたが、ジャズにハマりこちらに来てからはピアノと作曲中心に過ごしていた私。

 

今回は私のリクエストで、最近ハマっているフルートの『重音』を解説付きで吹いていただきました。

 

長く吹き続ける重音は、体力的にもかなりハードなはずなのに、上坂クンも興に乗って楽しくそしてしっかりとレクチャーをしていただき、色々と目から鱗。

 

 

 

重音は不協和音や掠れた音など、普段あまり聴き慣れず時として不快に感じる場合もありますが、現代音楽などでは興味深い効果音として楽曲にエッセンスを加えてくれる表現方法のひとつ。

 

フルートで奏でられる極々小さな音量の重音は、微かな音と息遣いとが「層」として目に浮かぶようだったり、また偶然響く生活音や自然の中で発生する音にも聞こえ、音楽が『音楽』として確立する前の古代の音、そしてフルートと言う楽器が生まれるずっと以前の「ふえ」の音だったのではないかと、思ったり。

 

そんな音が現代音楽で使われていると言う不思議さに、重音の魅力に再び目覚め、その昔買った 小泉浩先生の教則本をひっぱり出し、思案を重ねている今日この頃であります。

 

 

 

 

 

さてさて、都内ではもう夏日があったとか。

 

今年こそ楽しい夏を迎えられますように、皆さまどうぞご自愛ください。

 

 

エリコ赤薔薇