JICAキューバ所長の小澤さん


ハバナの中心地から30分程離れた場所で、JICAが支援が行っている現場を訪問させてもらった。

キューバでのJICAの活動は3,40年前から行われているが、昔は主に農業と医療が中心だった。去年、岸田外務大臣がキューバを訪問し、さらなる援助を約束したことをきっかけに、最近では、地下水のプロジェクトやゴミのメンテナンスの指導が始まっている。

私が訪問させてもらったのは、まさにこのゴミのメンテナンス現場。キューバで生活していると、道端にゴミが散乱しているのが目に付く。ゴミ箱自体が壊れていて、きれいに回収しきれなかったり、ゴミ箱の底についている車輪が盗まれたりして、無残にもゴミ箱周辺がハエの溜まり場になってしまっている。

JICAは専門家を派遣して、ゴミ収集や収集車のメンテナンスの指導に当たっているのだ。

 

現場には、中国製の収集車がずらりと並んでいる。中には修理中のものもある。

「中国製は安く買えるんだけど、壊れやすいんだ」


        日本のODAで提供された機械


キューバ人の現場責任者とJICA事務所の方、そして専門家として日本から来ているエンジニアの方々が現場を丁寧に説明してくれる。

使用されている機械や道具の多くは日本のODAの物。使い古された機械を見ると、北朝鮮製のものもあった。

 

「とにかくキューバの人たちは宿題を出すと、必ずやり遂げますし、約束を守ります。教育がきちんとしているせいでしょう。これまで様々な国で同じような活動をしてきましたが、この国が初めてです。正直言ってスピード感はありませんが、着実に仕事をこなし、何よりいつでも冗談を言う明るさを持ち合わせています。そういった面で、私たちの方が教えられることが多いんです」

 


           砥川さんと現地スタッフ

現場には、エンジニアで入っている砥川さんという方がいた。若々しく見えるが、日本ではもう現役を退いている年なのだという。国外で働くことはおろか、海外へ行くこと自体が初めてだったという砥川さん。

 

「行く前は本当に悩みました。でも、自分も誰かの役に立てるかもと思った時に、勇気が出たんです」

 

スペイン語で現地のエンジニアと協力しながら楽しそうに働く姿に、悩んでいたという渡航前に砥川さんは想像出来ない。

 

キューバを旅行すること、家庭で過ごすこと、働くことはきっと全く違った国の側面を見ることができる。定住旅行だけでは知ることが出来ないキューバを見せてくれた、JICAの方と現地スタッフさんに感謝。



現場を見せてくれた皆さん、ありがとうございました!