様々な著名人のサインが書かれたレストラン La Bodeguita del Medio 


ネパールから帰国して3週間、帰国の挨拶も終わらないうちにキューバに来ている。そもそも今年の定住旅行予定に入っていた国ではないが、知人がJETROのキューバビジネス視察に参加することになり、私も同行させてもらうことになったのだ。

ラテンアメリカを再訪するなら、次はキューバと決めていたので、素晴らしいタイミングだ。ただ前回の旅から1ヶ月も経たないうちの渡航だったので、出発前は目の回るような忙しさだった。

 

前回キューバを訪れたのは約3年前。その頃私はカリブのグレナダであった交通事故の影響で、まだ歩行すらできず、キューバにいる間はずっと松葉杖で過ごしていた。今考えると、よくもまぁ半年間松葉杖で旅をしていたなぁと思う。

 

キューバといえば、今いろんな意味でホットな国だ。アメリカとの国交が54年振りに回復し、少しずつ様々な規制が緩和されてきて、随分変わってきているというのが、私が日本にいるときに聞いていた噂だった。そう、噂だ。

首都ハバナに着いた日から5日間、毎日びっちりJETROのビジネス視察プログラムに参加させてもらい、空き時間にBici Taxi(自転車タクシー)で市内を回ったりした。太陽や人の明るさの中に漂う哀愁的な雰囲気は何ひとつ変わっていない。

 

私の旅のスタイルは、いつも現地の人と一緒に行動するパターンなので、今回のビジネス視察のように、その国経済状況の全体像をマクロな視点で見ることは初めてだったが、政治、経済と人の生活が切っても切り離せないこの国では、この視察は別の角度からキューバを見る本当にいい機会となった。

 

参加者はメキシコやアメリカに駐在しているビジネスマンが多く、ラテン気質な人情溢れる人々ばかりで、視察以外の時間も本当に楽しい充実したものとなった。

 

このビジネス視察では、医療機器メーカー、外国資本の開発が進むマリエル特別特区、ブラジルとキューバ初の合弁会社BRASCUBAなどを訪問した。その中でも個人的に私が一番印象に残った場所を一つ紹介したいと思う。


 


今年3月にオバマ大統領がキューバを訪問した際に開所したGoogleである。これまでキューバといえば、一般人がインターネットを使えることはほぼ皆無だった。スマートフォンを片手にインターネットを使うキューバ人は、私にとって馴染みのない姿だった。Google内には寄贈された20台のノートパソコンが設置されている。

 

インターネットを使う人たちに何のために使っているのかと聞いて回ると、その大半は「FBで遠くにいる家族と連絡を取るため」と答えた。

アメリカに住む多くのキューバ人家族と以前より頻繁に連絡が取れるようになることで、キューバに住むキューバ人は、彼ら自身の生活環境のことをどう思うようになるのだろうか。

彼らが使っているディバイスを見ると、全てがアンドロイド。Apple製品は接続できないようだった。




ERIKO