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Day 4 Kothe コテ 3,700mTagnag タッグナ4,350m

Day 5 Rest at Tagnag

 


途中のゴンパ(寺院)で、神様に登山許可をお願いする


5日目、標高4330mTangnag村に到着し、6日目は高所順応でレストの日だった。レストといっても完全お休みでなく、近くの4,600mの見晴らし台まで順応を含めて軽いトレッキングをした。

 
             Sabal Tsho Lake 見晴らし台から


Tangnagは、シェルパ語で黒い岩という意味。タンナ山の麓にある村で、周囲は見上げると首が痛くなる高さの山々に囲まれている。ここまで来ると、厳しい自然の中に人間が立ち入らせてもらっているような気分になり、やっとヒマラヤに来たという感じがしてくる。

ここ最近泊まるロッジでは、すでにメラピークに登頂して下山してくる人たちとよくすれ違う。トレッキングピークにしては一番簡単というけれど、6,400mと決して低くはない山である。

 

昨日出会ったのは、シンガポール人の警察官。

High campから登頂まで8時間かかったよ」と、どれだけしんどかったかとその教訓をつらつらと語ってくれた。

メラピークで順応し、これからエベレストに登るという、ニマちゃんというインド人にもあった。寒がりなのか、終始キッチンの火の前で身を丸くていた。

 

色んな人の話を聞いていると、まるで子供の頃の予防注射の順番を待っているかのような気分になってくる。「痛かった、痛くなかった」と終わった人の感想を聞きながら、いつかは来てしまう自分の順番にハラハラしながら時を待つ。今、そんな気持ちである。

 

エクアドルのコトパクシの経験から10時間以上歩き続けるとどうなるかは大体予想はつく。あとは、山の神様が登るのを許してくれるかどうか。

 


     イギリス隊について来ている黒い犬

ちなみに私と同じ行程を辿っている13人のイギリス隊グループがいるのだが、彼らにずっとついて来ている黒い犬がいる。出発地のルクラの犬らしが、最初のうちはそのうち村へ戻るだろうと思っていた。しかし、どこまでもついてくる。ここまでついて来ると、どこまで行くのか気になってくる。

 

ガイドのツィリンさん曰く、「昔、8000mの最終キャンプまでついてきた犬がいて、そこまでくると誰も食べ物を与えないから、お腹が空いて鳥を殺して食べたんだ。その後、急に大嵐になって、結局撤退したんだ。シェルパたちはみんな、山の神様が怒ったと言っていたけどね。犬は酸素もアイゼンもピッケルも遠征費もなしでどこまでもついてくるんだよ。笑」

ヒマラヤの山の中ではやってはいけないことがいくつかある。一つは生き物を殺すこと、そして登山中に性行為をすること。エベレスト街道のロッジのメニューに、「ヤク肉」と書いてある食べ物があるが、これはほとんどが水牛の肉。ヤクは彼らにとって荷揚げやミルクを与えてくれる大切な動物であって、山で屠殺するなどありえないのだという。前回は私はヤクを食べた気になっていたが、今回ツィリンさんがこっそり教えてくれた。

 

話がトビトビになったが、この可愛い黒犬が果たしてメラピークに登頂してしまうのか、気になるところである。


           Tagnagロッジの子供

ERIKO