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遠征メンバー 真:ガイドのツィリンさん、右:ポーターのDr.バブラム
Day 1 Lukla ルクラ 2,800m→Chutanga チュタンガ 3,600m
クムジュン村から2日かけてルクラへ戻り、ついにメラ・ピークへの遠征が始まった。
ルクラへ到着すると、チェックポイントにはたくさんのトレッカーたちが詰めかけていて、やっと本格的なシーズンが始まったのだと実感する。
木蓮や桜の花が満開で、舞う花びらに視線を奪われながら、白く光山々に囲まれ、叫びだしたいほどの喜びに包まれた道のりだった。
今回私をメラピークへ導いてくれる遠征のガイドは、ベテランのツィリン・シェルパ。クライミングシェルパである彼は、8000m級の遠征を何度も経験し、アルピニストの野口健さんのマナスル遠征にも2度ほど加わっていたそう。今回登るメラ・ピークへはもう15回以上登頂していて何回登ったか忘れたとのこと。
そしてポーターは、ライ族のDr.バブラム。医者でもなんでもないのに、なぜかドクターと呼ばれている。
標高6,476mあるメラ・ピークは、ルクラから北東にあるピークの中で最も標高の高い山。私は山だと思っているが、シェルパやツィリンさんからすると、ピーク=尖った峰に過ぎないようで、決して山だとは思われていない。
アイランドピーク、ロブチェピークなどのピークと呼ばれる山は、8000m以上の登山をする際の高所順応やトレーニングの山として登られることが多い。シェルパの人たちが山と認めるのは、大体7,000m以上なのだろう。
メラ・ピーク登頂までの日程スケジュールは、まずトレッキング7日間で5,400mのBCベースキャンプまで行き、その後5,800mのHC(ハイキャンプ)へ移動。翌朝の早朝にアタックを開始し、同日カーレ村まで下山。その後3日間かけてルクラへ戻るというスケジュール。今回は、道中の5,000m近い幾つかの山越えと、高山病にかかるかどうかが登頂の鍵を握りそう。
今日はルクラを出発して、標高3600mのChutanga チュタンガまでやって来た。道中はヒマラヤが多様な気候であったことを感じさせてくれるような、生き物の臭いのする、鬱蒼と湿った森の中を歩いた。
苔むした岩、水滴の化粧をした植物、透明度の高い川。呼吸するたびに、それぞれのエキスを取り込めるかのようで、永遠に続く登り坂も苦にならないほどだった。
4時間かかる予定が2時間半でチュタンガに到着。ロッジ周辺にはキャンプを張るイギリス隊で賑わっている。
雨が降っているし洗濯も出来ないので、ロッジのキッチンでシェルパたちと雑談したり、本を読んで時間を過ごす。
出発前にロシア地域のコーディネーターをしている、東さんから頂いた、「ロシアは今日も荒れ模様」と「適応の条件」が面白い。早く読み切ってしまうともったいのでちびちび読みます。
ERIKO