朝カーテンを開けると、村が一面真っ白に輝いている。どうやら雪が降ったらしい。家族も「これでもっと水が確保できるわ」と実に嬉しそう。屋根から滴り落ちる水滴も余さずバケツでキャッチ!
クムジュン村へ来た、もう一つの目的を果たすため、ヒラリースクールへ向かう。前回生徒さんたちに描いてもらった絵のお返しに、鳥取県米子市福生東小学校の生徒さんから預かった、版画と習字をヒラリースクールの学生に届けるためだ。
2年前に私が授業させてもらったクラスのプナ先生もそのまま担任を引き継いていた。生徒たちは見違えるほど背が伸びていて、成長の早さに驚かされる。ありがたいことにみんな私のことを覚えていてくれた。
どうやらゴムでリフティングをするのが流行っているようで、どの生徒もゴム蹴りに夢中になっている。
私が訪問した日は最終試験日。多くの生徒たちがこの日を境に家族のいる村へ戻り、15日間の春休みを過ごす。ギリギリで彼らに絵を届けられて本当に良かった。
この絵の交換もさることながら、私が様々な国にたくさんの家族がいる中で、どうしてまたクムジュン村へ来たのかは自分でもはっきりした理由は分からない。日頃から連絡を取り合っているわけでもなく、来たからといって大歓迎されるわけでもない。滞在中も自分で手伝うことや、やることを見つけて過ごしている。
せっかくだからといって、どこかへ一緒に行くことなどもない。私はただ、彼らの生活の中に入り込ませてもらっているだけだ。(彼らが冷たい人たちということは決してなく、根本的に人を迎え入れるシステムが違うということです)
来ればいつでも拒まずそっと受け入れてくれ、旅立ちの時は無事を祈ってくれる。それはいつでも扉の開いたケージのようで、ネコのような性格の私にとって心地いいのかもしれない。
今日でクムジュン村も最終日。明日からはエベレスト街道の入り口であるルクラまで2日間かけて戻り、メラ・ピーク登山への本格的な遠征に入る。
※ カトマンズ到着予定日は今のところ4/17前後です。それまでは、通信が途絶えてしまいますので、ご理解のほどよろしくお願いします。
ERIKO