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時頃からロッジのランチタイムが始まり、トレッカーたちが食事にやって来る。私はキッチンの雑用や配膳を手伝っている。
トレッカーたちは、ガイドさんと一緒に来るのだが、ガイドのシェルパたちには毎回外国人の私が働いていることに驚かれる。私みたいにシェルパ族の家にホームステイする人なんて滅多というか、いないからだ。

ガイドさんたちは基本的にお客様であるトレッカーたちとは一緒に食べず、手伝いながらキッチンで食べる。中には英語を話せないガイドさんもいるが、彼らは担当するお客さんが話すドイツ語、フランス語、日本語などの言語が堪能である。

エベレスト街道を歩いているトレッカーたちと話しをするのもなかなか面白い。ここに来るには最低でも15日間以上の休みがないと来られないため、みんなそれぞれある程度の決意と目的を持ってきているのだ。

 

左:ゲリ・シェルパ 右:ダウ・シェルパ。二人とも23歳のトレッキングガイド。去年公開した映画エベレスト3Dにエキストラで出演している。イタリアロケの話しをしてくれた。

 


彼はブラジルのサンパウロから。エベレスト街道を歩くのは2度目。初回はトレッキングの途中で家族の体調が悪くなり、ブラジルへ急遽帰国。その無念を晴らすため、今回2度目のトレッキング。

 



ジーナ・ローレンスさん。彼女もネパールは2度目。旅行会社で働いているため、視察も兼ねてのトレッキング。「地震があったと聞いて、少しでもネパールのためにお金を使いたいと思い参加しました」という彼女。ゴッキョ湖とエベレストBCまでグループで歩くそうだ。

 



お客さんが帰った後は、コックのラムさんと一緒に畑へじゃがいもを植えにいく。ラムさんが畑を耕し、私がじゃがいもを蒔くといった具合だ。
これがいつ収穫されるかはわからないが、近所のシェルパたちが、私の作業姿に感心して、話かけてくれるのが何よりも嬉しい。やはり、同じことをするということは人の共感を買うのだとしみじみ思う。

 


              停電のためロウソクディナー

夕方7時頃日が暮れる。電気はあるが、夜は冷え込むので(大体-2,3℃くらい。暖房はお客さんがいる時しかつけない)夕飯を食べた後はさっさと寝袋にくるまる。電気もよく停電になるので、ロマンチックなロウソクディーナーもしょっちゅう。水不足のため、シャワーはよほどのことがないと浴びられない。毎日水を汲んで運ぶ姿を見ていると、口が裂けても「シャワーを浴びたい」なんて言えない。

20時頃就寝。

ERIKO