マルガリータの滝

10/5

 

 来週から本格的な観光ピークシーズンを迎えるエル・チャルテン。日増しに観光客が増えている。エル・チャルテンは、世界で一番登るのが難しいと言われている、Cerro Torre(セロ・トッレ)と、El Chalten (エル・チャルテン 別名フィッツ・ロイはチリでの呼び方)が見える小さな村である。この時期になると、他県から観光客商売のために出稼ぎにくる人たちも含め賑わいを増す。

この村からはいくつかのトレッキングルートにアクセスできる。今日は、Cerro Torreが見渡せるLaguna torre(塔の湖)ルートを歩いた。風は冷凍庫を開けた時のように冷めているが、太陽が差すと衣服の内側に熱がこもる。ジャケットを着たり脱いだりして温度調節を繰り返す。

 パタゴニアのいいところは、標高の高いところに行かなくとも絶景が見られるところである。目にする対象物のスケールが大き過ぎて、歩数を重ねて視線を戻す度に、新たな発見しかない。自分が対象のほんの一部しか捉えていないのだということがよく分かる。それはどんな物事を捉える時も一緒かもしれない。

 この乾燥した大地に育つ植物は枯れ果て、木は白み、花はドライフラワーのような状態になっている。パタゴニアに来てから、肌の乾燥が激しく、手はヤスリのようになっている部分さえある。Laguna Torreまでの道のりは、10km。往復で6時間程度だ。



                                       雲に隠れているCerro Torre

 砂地や岩場を超えて、やっと辿り着いた景色はパタゴニアの物悲しいイメージそのものだった。空はグレーに染まり、時折Cerro Torreの影が見え隠れする。ここは天候が非常に変わりやすいことでも有名で、Cerro Torreが全貌を見せてくれることは滅多にない。湖の湖畔に座って、雲が開くのをしばらく待ったが、1時間して体が冷え始めたので再び歩き出した。久しぶりの山歩き。明日筋肉痛にならないことを願う・・・

ERIKO