桃岩展望台 霧で見えない

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 昆布干しがないことは分かっているのに、夜中の3時にハッと起きてしまった。体が昆布干し体質に変わってきているのかも。笑 
 今日は朝から山が雲に覆われて全く見えなく、登山は中止となった。せっかくなので利尻から
19km離れた礼文島へ行くことにした。

 フェリーで
40分、港に着くも濃い霧に囲まれている。着いてすぐに、桃岩展望台まで歩いた。家の玄関は2重扉、一本道の道路など、街の雰囲気は利尻島に似ている。途中から登山道のような小道に入り、滝の流れの音を聞きながら登っていく。 

 桃岩とは名前の通り、桃のような形をした岩。高さ190m、幅300mのマグマで出来ており、アイヌの伝説が残っている。花の名前などの説明を聞きながら登っていくツアー団体をいくつも追い越し、頂上までついたもののこれまた霧に包まれて何も見えない。結局桃岩は見られずに港へ降りて行った。風は冷蔵庫を開けた時のような冷たさがあるが、湿度は高く、慣れない気候である。




         礼文島固有種 レブンアツモリソウ


 礼文島は通称、花の島と呼ばれている。高所でないのに、高山植物がたくさん咲くことで有名。花好きにはたまらない場所なのだ。

 午後になると、高橋さんの家に昆布の手伝いで1日だけ来ていた吹田さんが、礼文島にやって来て島を案内してくれた。吹田さんは礼文島と利尻島を行ったり来たりしながら働いているが、本当に島で働くことが楽しくて仕方なさそうだった。もう10年以上島に通っているそうだが、行ったことがない場所もあるということで、一緒に島を回ってくれた。



                 澄海岬


 天気が良ければ真っ青な海が一望できる澄海岬、礼文島最限北(最北は稚内だそうです)のスコトン岬。ここにはアザラシがたくさんやってきて、快晴時にはサハリンも見えるのだそう。礼文島の海は砂地であるため、海がより青く見える。天然昆布がゆらゆらしているのも見える。島の人たちの暮らしを詳しく知ることはできなかったが、少なからず島の雰囲気を感じることができた数時間の滞在だった。

 夕方は、佐藤さんの実家にお邪魔して、夕飯をご馳走になった。佐藤さんのお父様はサハリン(樺太)生まれ。島では珍しいことではないそうだが、自分の目の前にいる人が、想像できない世界を背負っていると思うとなんだか不思議な気分だった。

ERIKO