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この3日間、怒涛の養殖&天然昆布干しの毎日だった。そして今日からはお世話になった高橋家を去って、初日に迎えに来てくれた佐藤さん宅に滞在して登山を行う予定。残り2日しかないので、なんとか天気がもってくれるといいのだが、今のところあまり芳しい情報は入っていない。
お世話になった高橋家からは本当に学んだことがたくさんあった。百合子ママのとにかく人に尽くす姿勢は、毎日のように届く、全国各地からの贈り物や便りとなって、ママ自身の幸せとして返ってきている。結局ママは最後まで疲れたと口にしなかった。毎日、黙々と働く紀夫さんは、漁師になるために生まれてきたような人。私は心優しい紀夫さんが運転する昆布まみれのトラックの助手席に乗るのが大好きだった。
隣の部屋でいびきの大合唱をする、3人の札幌から来ている定年組のおじさんたちとも、毎日愉快に過ごさせてもらった。
「毎年ここへ来るのは、いつも帰っておいでと島の人たちが言ってくれるからなんだ」
60代後半の彼らが足腰を痛めながらも、ひたむきに働く姿は感動的だった。
今日の最後の仕事も、2時半からお弁当作り、そのまま干場へ行って9時前まで乾かし続け、昼はその回収と行った。いつもと違うのは、お世話になったみんなにお礼とさよならを伝えることだった。
「昆布干し、大変だったべ。随分上手くなったよね。また島に戻ってこい」
一緒に干し続けた島の元気で明るいおばちゃんたち。県外から若い人たちがこの島へ移住してくる理由は、最近味わえなくなったこの人の暖かさと懐の深さだろう。
夕方は鴛泊でやっていた浮島祭りに足を運んだ。こんな昆布の忙しい時期にここまで人が集まっていることに驚いた。カラオケ大会の司会をしているのは、昆布のある日に高橋家に泊まりにきて仕事をする、たかしくん。私も少し時間を頂いて、話をさせてもらった。祭りは老若男女すべての人たちの充実した熱気で満たされていた。
ERIKO